• 次に、鉄道の利便性向上に向けた取組についてお伺いします。
    現在、大阪府では万博を契機に多くの外国人観光客でにぎわっており、府内の鉄道利用者数も、コロナ禍での減少から着実に回復してきています。今後IR開業を見据え、さらなるインバウンド増加が期待される中、快適かつスムーズな移動の確保に向け、鉄道の利便性向上は重要です。
    府では取組の1つとして、今年度から新たに宿泊税を活用し、旅行者の受入環境整備を目的に「公共交通機関利用観光客受入環境整備事業費補助金」を創設したとのことですが、まず、府での鉄道の利便性向上に向けた取組状況をお伺いします。
    また、大阪市域から京都までを結ぶ京阪本線では現在、寝屋川市域及び枚方市域において連続立体交差事業が進み、去る8月に大阪府公表の「夢洲アクセス鉄道に関する検討結果」で、京阪本線と接続する中之島線の延伸計画について、九条まで延伸のルートが優位と示されました。村野駅では再開発が始まる状況です。加えて国の審議会でとりまとめた「近畿圏における望ましい交通のあり方について」では、京阪本線・交野線の直通運転が乗継ぎ利便性の向上に資する事業に挙がっています。
    枚方市駅の(ホームをまたがなくていいようにする)結節機能強化や、また京阪交野線とJR接続(河内森と河内磐船の約300mの徒歩移動)の部分、こうしたところが繋がると利便性は非常に高まります。
    鉄道事業は国の許認可であり、府に権限が無いと理解をしていますが、乗継時の移動負担の軽減に資する取組が進むよう、府から鉄道事業者に働きかけてほしいと考えます。
    そこで、京阪本線と交野線との接続区間における直通運転を含めた利便性向上の取組について、都市整備部長にお伺いします。
  • (都市整備部長答弁)
    ○ 府における鉄道の利便性向上の取組については、令和元年に改訂した「公共交通戦略」において、「取組の方向性」の一つとして位置づけ、これまで万博開催に向け、鉄道事業者が行う案内情報の充実に向けた取組などに対して、支援してきた。

    ○ また、今後、増加するインバウンドのシームレスな移動の実現に向け、今年度から議員お示しの補助制度を創設し、鉄道事業に関しては、申請のあった4事業者に対して交付決定を行ったところ。
    今後、事業者において、キャッシュレス対応機器や多言語案内設備の整備に活用される予定。

    ○ 次に、京阪本線と交野線との直通運転については、平成15年に運行が開始されたが、本線の運行ダイヤとの兼ね合いから京阪本線で混雑が発生したほか、相応の需要が見込めなかったことから平成25年に廃止され、現在は、両路線を同一ホームで乗り継げる列車が一部運行されている。

    ○ このような路線間の乗継利便性向上の取組は、府としても重要と認識している。そのため、本区間についても、交野線沿線のまちづくりの進展や中之島線延伸などの鉄道ネットワークの充実に向けた動きを踏まえ、同一ホームでの乗継列車の増便など利用者の移動負担の軽減につながる取組について、鉄道事業者に働きかけていく。
  • 今後インバウンドでの利用者が増加する中、鉄道事業者に利便性向上の取組を進めていただくことで、効果が府民にも還元され利用者も増加する好循環につながってほしいものです。ひいてはそれが、大阪・関西の成長につながっていきます。 もちろん、事業者の採算性はじめさまざま課題があると理解しますが、事業者側としても利用者目線に立って、利便性や快適性の向上に対して更に前向きに取り組んでもらえるよう府として働きかけるとともに、宿泊税も活用しながら、取組の後押しを求めておきます。