• 最後に、京阪樟葉駅前におけるハト対策についてお伺いします。
    これまで市民や利用者から、芝生の上を嫌がるはずの土鳩が100羽・200羽と集まり、「駅前の環境が不快で安心して使えない」との声が、私や、また各方面に寄せられてきました。ここ数年で数百件の苦情が寄せられているようです。
    令和7年2月議会の環境産業労働常任委員会で、大阪府の猛暑対策事業により整備された、樟葉駅前のハトへのエサやり行為により人馴れしたハトにかかるフンや羽毛の飛散などで、駅前の歩道・芝生、駅舎周辺の環境や美化に支障が出ている問題を取り上げました。
    その際、ハト対策には、エサなど誘引物をなくす対策・ハトが寄り付かない対策の両方が重要との答弁でした。
    餌やりをしている方への対策として、枚方市も職員の張り込みに始まり、様々な情報収集を行う中で、『餌やりして何が悪いねん』と悪態をつく者、袋いっぱいの餌を放り投げて走り去る者、はたまた通勤時にスッとポケットから餌をやって改札に向かう会社員など様々な方、2桁人数の餌やり行為者の存在を確認されたと聞きます。また、啓発看板が鋭利な刃物で切りつけられるなど悪質な事態も発生しています。
    府にも引き続き取組を求めてきたところですが、府はこれまでどのように助言をしてきたのか、また今後どう対応していくのか、鳥獣保護管理法と動物愛護管理法の所管である環境農林水産部長にお伺いします。
  • (環境農林水産部長答弁)
    ○ ハトによる生活環境被害への対応としては、野生動物を対象に個体数管理などを目的とした鳥獣保護管理法と、野生動物以外を対象に不適切なエサやり等を改善指導することなどを定めた動物愛護管理法がある。

    ○ 鳥獣保護管理法による対策は、市町村に権限があるため、府は現地調査を踏まえ、昨年度、枚方市の被害対策会議において、防鳥ネットの追加や新たなエサやり禁止看板の設置、さらに警備の強化等を助言し、それでも被害の軽減につながらない場合は、同法に基づく有害捕獲も視野に入れるよう、重ねて助言してきたところ。

    ○ 今年度も、府では定期的に現地確認を行っており、その際、商業施設管理者への助言を行ったところ。

    ○ 一方、動物愛護管理法に基づく指導権限は都道府県にあるが、今回の事案を対象とするには、ハトが野生動物ではなく、恒常的にエサやりがなされ、事実上飼養されていると認められることや、生活環境被害の実態が環境省令に適合している必要がある。現地調査及び苦情内容を精査するとともに、府や市で実施した弁護士相談結果も踏まえ、本件への同法の適用は困難であると判断したところ。

    ○ 府としては、国に対して、全国自治体から事例や意見を収集するなど調査研究を進め、野外のハトへのエサやり行為に起因する生活環境被害に対し、動物愛護管理法の適用の可否を明確にするよう働きかけてまいる。

    ○ 引き続き、ハトの被害の軽減につながるよう、市と連携を図り、現場調査を通じて技術的助言を行うなど、しっかりと支援してまいる。
  • この質問にあたり、環境省はじめ枚方市、事業者、府民の方、様々やり取りさせていただいてきました。関係者ごとの認識に少し齟齬があるようにも感じましたので、より丁寧に進めていただければと思います。
    現在、多くの方々が改善に向け対応されていますが、依然として抜本的な改善には至っていません。少なくとも10数年、下手すると20~30年にわたって府民は不快な環境を強いられています。
    「餌やりは違法ちゃうやろ」──この一言で全てが止まってしまう現状は、動物愛護管理法の根幹にある第1条の目的、「国民の間に動物を愛護する気風を招来し、人と動物が共生する社会の実現を図る」という精神に沿っていないと考えます。法の趣旨目的に沿わない現実があるにも関わらず、法適用が困難なのであれば、それは法制定時に想定されていなかった社会の変化であり、こうしたことを訴えていく必要があるとも思っています。
    環境省の方と話したときに、あくまでも一般論としてという前置きを言いつつ、今回取り上げた生活環境被害に関する法や施行規則、省令については、必要となればそこに追加するコメントもありました。なんでもかんでも罰するではなく、生活環境を守るための評価要素や飼養状態の外形基準・複数人の給餌等を検討すべきだと私は考えています。
    この事例は人と動物との共生のあり方という点で他にも共通する課題であり、府としてより丁寧な技術的助言、国への施行規則、省令や制度改善の要望など、「どうすれば解決できるのか」視点に立った、積極的な姿勢の取組を求めておきます。
    これで、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。