• 次に、EVバッテリー再利用による資源循環についてお伺いします。
    今年の一月、私も含めて我が会派で、福岡県が事務局として昨年七月に設立した使用済みEVバッテリーの資源循環システム、グリーンEVバッテリーネットワーク福岡を視察してきました。これは、自動車メーカー、金属リサイクル業者等の企業、団体で構成され、使用済みEVバッテリーの回収、リユース、リサイクル、再製造の一連の工程に取り組み、資源循環の構築を目指すものです。
    実際には来年度からモデル事業の実施予定とのことでしたが、EVバッテリーの資源循環システムを全国に先駆けて構築し、EVバッテリーの製造拠点化を目指すものであり、これは資源循環の観点からも重要な取組と感じました。
    大阪府では、使用済みEVバッテリーのリサイクルについてどのように考えているのか、お伺いします。
  • 〇使用済みEV--電気自動車のバッテリーは、今後排出量の増加が見込まれること、また、多くはリチウムやコバルトなどのレアメタルが使用されていることから、そのリサイクルは、廃棄物の適正処理とともに、循環資源の確保、有効利用の観点から重要であると認識しております。

    〇電気自動車の普及が従来の市場予測よりも減速傾向である一方、近畿圏では、近年、自動車メーカーと蓄電池メーカーによるバッテリー工場が稼働を開始しております。また、バッテリーの能力が低下した後も、定置型蓄電池など別の用途へリユースすることで、できるだけ寿命を延ばす取組も見られるようになっております。

    〇このように、将来的な使用済みEVバッテリーの排出量の見通しについては流動的な部分があるものの、EVの普及自体は進んでいくと考えられますことから、EVバッテリーの資源循環の動向を見極めるため、関係企業や自治体へのヒアリングの実施、及び国による法整備や施策の情報収集に努めてまいります。
  • 大阪府におけるEVバッテリーのリサイクルについて、今、資源循環の観点からお話をお伺いしましたが、産業振興の観点からもお伺いしたいと思っています。
    大阪、関西には、蓄電池メーカーの生産拠点や研究開発拠点とともに、これらを支える部材や装置メーカーも集積しており、府としても、これまで蓄電池産業の振興のために、大型蓄電池システム試験評価施設の誘致や府内企業による蓄電池関連の技術開発の支援など、事業環境の整備に取り組んできたところです。
    そうした背景を踏まえますと、今後、EVバッテリーのリサイクルや資源循環の取組に関しても、府内企業の技術が活用されたり、また、ビジネスとして成長していく可能性があると考えていますけども、産業振興の観点からどのように考えているのか、産業創造課長にお伺いします。
  • 〇EVバッテリーのリサイクルは、国の蓄電池産業戦略におきましても、リサイクル技術の開発などが国内の環境整備強化として位置づけられており、例えば、NEDOのグリーンイノベーション基金事業では、二〇三〇年度に向けて、コストや品質で競争力のある形で、リチウムイオン蓄電池からリチウムなどの希少資源の回収技術の確立を目指した技術開発が進められてございます。

    〇府内でも、車載用蓄電池を製造する大手メーカーが、海外拠点で電池材料のリサイクルを開始しておりますほか、バッテリー素材のリサイクル技術の開発や、リユースのためのバッテリーの評価・診断技術の開発に取り組んでいる中小企業もございます。

    〇府としましても、引き続き、国の施策動向や府内の企業ニーズなども見極めながら、EVバッテリーのリサイクルにつきまして、国や大学等の研究機関などとも連携しまして、技術面や資金面など必要な支援に取り組んでまいります。