• 次に、大阪フィルム・カウンシルの取組強化についてお伺いします。
    映画やドラマなどの撮影誘致・映像作品への活用は、作品のストーリー性とあいまって、地域の魅力を発信できるほか、「聖地化」実現で多くの観光客を呼び込めるため、地域経済の活性化や都市ブランドのイメージ向上につながる効果的な手法といえます。
    例えば、福岡市や北九州市ではアニメ・ドラマとのコラボによる観光客増、静岡県では『ちはやふる』など、作品の地域振興効果が具体に数字で出ている事例もあります。
    大阪でも、映画「ブラックレイン」のほか、『半沢直樹』や『探偵ナイトスクープ』、最近はNetflixの作品でもいくつかロケ地になり、話題を呼んだことは記憶に新しいところです。
    大阪では、映像作品のロケ誘致などフィルムコミッション活動を、大阪観光局を中心に「大阪フィルム・カウンシル」で取り組まれていますが、他自治体と比べ、サイトでの対外的なアピールが不十分と感じています。府内には下町の風景や港湾、自然景観、商店街など、多様なロケ資源があるものの、潜在的な可能性を引き出せておらず、「ロケ地マップ」も掲載が少なく、実績の記載も最終2017年と古く、制作側への支援内容も明確ではないなど、現状、わかりにくいサイトとなっており、発信の改善、PR強化が必要です。
    加えて近年、映画やドラマにとどまらず、アニメや音楽、ゲーム、さらにはYouTubeなどのコンテンツも大きな話題性を持ち、観光や経済波及につながる状況にもなっています。『8番出口』の大元のモデルが大阪の駅というのも話題になりました。
    他府県で言うと、愛知では幅広く捉えて誘致活動をしているようですが、大阪でも幅広いコンテンツを包含した仕掛けを展開すれば、従来の観光施策では届きにくかった層にもリーチできると考えます。
    今後、大阪フィルム・カウンシルの取組を強化する必要があると考えますが、府民文化部長に所見をお伺いします。
  • (府民文化部長答弁)
    ○ 映画やドラマの撮影のロケーション誘致は、大阪経済の活性化やブランドイメージの向上、さらには持続的な観光誘客をもたらす効果が期待できるものであり、大変重要である。

    ○ 大阪観光局に設置する「大阪フィルム・カウンシル」では、映像制作業界に精通した専任コーディネーターを2名配置し、相談対応から撮影、情報発信に至る総合的サポートを行っており、映画やテレビをはじめ、様々な媒体のロケ誘致に努めた結果、昨年度には、約 600件の問い合わせ等に対し、200 件を超える誘致が実現したところ。

    ○ 今後、大阪観光局を中心に、議員からご指摘のあったWebサイトなどの情報発信面での改善を行いつつ、府内エリアの知名度向上とさらなる集客に向けたプロモーションを強化するとともに、市町村とも連携しながら、府域全体におけるロケーション誘致を進めていく。
  • 大阪フィルム・カウンシルの取組は一定理解しましたが、約600件の問い合わせに200件の誘致実現と考えると、人材供給、取組強化でさらに多くの案件を獲得できる可能性が高いと感じています。他地域では、撮影場所の施設利用料減免、大規模撮影に対する補助の制度もあるようです。
    作品誘致から映像の撮影、コンテンツリリースまでさまざまなハードルがあり、一筋縄ではいかないものですが、限られたリソースを効果的に活用する意味で、府内市町村と連携を強化しながら、引き続き積極的なロケ誘致・コンテンツ化につながる取組を求めておきます。