小・中学校を通じた教育の充実について

  • 次に、枚方市における中1ギャップの受け止めについて、お聞きします。
    子どもたちが小学校から中学校への進学に際し、新しい環境での学習や生活に不適応を起こす、いわゆる「中1ギャップ」と呼ばれる現象があります。
    不登校児童生徒数、いじめの認知件数、暴力行為の加害児童生徒数が、小学校6年生から中学校1年生になったときに大幅に増えることが文部科学省、各種調査により明らかになっていますが、本市ではどのように受け止められているのか、お伺いします。
  • 《学校教育部長》次に、2.小・中学校を通じた教育の充実について、お答えします。
    枚方市においても、令和3年に実施した調査では、中学校1年生での不登校生徒数及び暴力行為数は小学校6年生よりも増加傾向にあります。
    原因については、文部科学省が示す「小中学校間の連携・接続に関する現状、課題認識」において小学校の学級担任制と中学校の教科担任制の違いや、児童生徒の学びや学習上の課題、生徒指導上の課題などが共有されていないことが挙げられており、小学校と中学校の円滑な接続のためにも小中の連携の必要性は高いと考えています。
  • 枚方市の小中の連携の必要性の捉えについては一定理解しました。
    小中連携や小中一貫教育には様々な手法があるかと思います。
    文科省でも、2016年から9年間の系統性を確保した教育課程を編成できる義務教育学校制度を新設しています。
    こうした小中連携、小中一貫推進の先に従来の6-3・4-3-2・5-4といった教育課程にチャレンジしている地域や学校もあります。
    今後、枚方市としてどのように小中一貫教育を進めていくのか、また、小学校と中学校の円滑な接続のため、教育現場において実際にどのような小中連携の取組が進められているのか、お伺いします。
  • 《学校教育部長》枚方市の小中一貫教育の取組として、中学校に小中一貫・学力向上推進コーディネーター、小学校に小中一貫・学力向上推進リーダーを配置しており、校区小中学校が連携した指導体制の確立に努めています。
    また、各中学校区単位で、小中学校を義務教育というまとまりで捉え、「9年間の教育に責任を持つ」ことを教員が意識した取組を進めるとともに、めざす子ども像を共有した合同研修等を行っています。
    そのほか、課題解決の手立ての一つとして、小学校高学年における教科担任制の導入が文部科学省でも進められており、また、本市においても、学校規模により違いはありますが、専科教員の配置や校内体制の整備により教科担任制を実施している小学校が増加しています。
    また、校区小中学校の連携の中では、児童の情報共有を行うとともに、指導方法、評価方法についての共通理解により、子どもたちの視点でシームレスな学びになるよう取組を進めております。
  • これまでの枚方市の取組と校区小中学校の取組については一定理解しました。
    答弁では、小中学校での9年間を義務教育と捉えたうえで、「中1ギャップ」と呼ばれる現象の課題解決について子どもたちの視点でシームレスな学びになると説明がありましたが、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
  • 《学校教育部長》子どもたちの視点で、シームレスな学びとなるようにするには、学習評価を適切に児童生徒に返していくことが課題解決の一つであると考えています。
    このため、通知表や三者面談を通じて、児童生徒や保護者へ学びの過程を適切にフィードバックするとともに、その内容についても小中学校で情報共有を行うことで、円滑な接続を進めてまいります。
  • 学習評価を適切に返す手立ての一つとして通知表が挙げられましたが、児童生徒を肯定的に認め、学習意欲を向上させるものとして、通知表は大変重要なものだと思っています。
    昨今、働き方改革の名のもと、通知表について簡略化を図ろうという動きもあったようですが、そこは慎重にすべきと思っています。
    何を変え、何をなくし、また何を残していくのか、議論が必要です。
    私は、児童一人ひとりと向き合う時間や、メッセージを伝えていくことが重要と考えています。
    また、学習指導や評価について充実を図ることは、ひいては小中一貫教育の充実にもつながります。
    その要素である通知表について、改めてその重要性を教育委員会で認識いただくとともに、その在り方について学校にも伝えていただくことを要望しておきます。