未来を切り開く教育について

  • 次に、未来を切り開く教育について、お伺いします。
    今の子どもたちが迎える未来は、「予測困難な時代」と言われています。
    そのような時代を生き抜くためには、一つの正解だけでなく、納得解や最適解が大切です。
    未来を生きる子どもたちは、「創造性」や「協働性」など、数値では測れない力、いわゆる非認知能力の育成が一層求められています。
    教育委員会では、この子どもたちの非認知能力の育成についてどのように捉え、取り組んでいるのか、お伺いします。
  • 「(学校教育部長)次に、5.未来を切り開く教育について、お答えします。
    議員ご指摘の通り、子どもたちが予測困難な時代をたくましく生き抜くためには、単なる知識だけでなく、様々な情報の中から必要な情報を整理し、自分の意見としてまとめ、他者と対話しながら考え磨き上げていく力、いわゆる非認知能力が重要であると捉えています。
    その上で、教育活動の更なる充実に向けて、枚方市が大切にしていく視点として、「5つのC(「チャレンジ」「コミュニケーション」「コラボレーション」「クリティカルシンキング」「クリエイティビティ」)」を設定し、学校への周知に取り組んでいるところです。
    その中で、例えば、授業において、子どもたちが根拠をもって自分の考えを他者と対話をする活動を通じて、コミュニケーションを積み重ねることにより、非認知能力の育成につなげています。
  • 教育委員会がビジョンを示し、学校へ周知している点は一定理解しました。
    新しい学習指導要領でも、学力の3つの柱として、知識・技能という『見える学力』、また思考力・判断力・表現力等という『見えにくい学力』、そして学びに向かう力・人間性等、いわゆる『見えない学力』の3類型でまとめられており、本市の取り組みはこれに対応しているものと捉えています。
    こうした力を子どもたちにつけるためには、学校だけでなく、地域との連携も必要になってきます。
    非認知能力の育成について、社会課題を解決する学習アプローチを提唱している方もおられますが、枚方市では、学校と外部機関との連携はどのようになっているのか、お伺いします。
  • (学校教育部長)学校と外部機関との連携については、これまで「職業講話」「職業体験」などの取組が実施されていますが、教科・領域の学習につながった連携にまでは繋がっていない現状があります。
    そのため、「公民連携プラットフォーム」として、『Hirakata EduAction(枚方市教育委員会 学校応援団ポータルサイト)』を開設しました。
    これにより、枚方市における、出前授業など学校を応援している企業や市役所各課の学校支援の情報を一元的に公開することで、児童・生徒が学校外のヒト・モノとつながり、「本物体験」の機会を増やしたところです。
    社会課題を自分事として捉え、その解決に向けて考え行動する中で、社会を生き抜くために必要な非認知能力を育成してまいります。
  • 教育委員会として、学校と地域をつなげ、子どもたちが非認知能力を身につけるための支援を進めている点は一定理解しました。
    一方、その非認知能力の重要性について、教育委員会だけが旗を振っていても、取り組みは進まないものと考えます。
    今後、教職員や保護者とそのビジョンをどのように共有していくのか、お伺いします。
  • (学校教育部長)教職員研修において、外部講師からの講義・演習を通して、その重要性や具体的な育成場面について教職員に伝達しています。
    また、全国学力・学習状況調査の保護者向け結果公表資料を通じて、非認知能力の育成の重要性を教職員や保護者とも共有していきます。
  • 最後にまとめとして、平成29年告示の学習指導要領では、前文として、「一人ひとりの児童(生徒)が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる。」とあります。
    これは、テストの点数などの目に見える数値だけでなく、目に見えない力である非認知能力の育成も重要というメッセージです。
    ただ、なぜこうした能力・概念が重要なのか、こうした思いや理念が、ひろく理解されなければ、様々な取り組みも効果が低いものとなります。
    今回の質疑で、教職員研修やポータルサイトで、教育委員会の非認知能力に対する理念を発信していると、一定理解しました。
    今後は、教職員がより自分事として研修を受講してもらえるような取り組み、しかけづくりを行っていくことが必要です。
    また保護者に対しても、一方的な発信だけに留まることなく、思い・理念を共有できるように取り組んでいただきたいと要望し、質問を終わります。