平成26年度の主要施策について

平成26年第1回定例会(第2日) 開催日:2014.03.03

  • 次に、(6)「歴史・文化を活かし、魅力あるまちづくりを推進します」についてのうち、文化芸術の振興に関する条例の制定について、お伺いします。

    市政運営方針には、「本市の特色である市民の活発な文化芸術活動を背景に、より魅力のあるまちづくりを進めるため、文化芸術振興条例を制定する」とありますが、芸術を振興するという意味で芸術文化振興条例を制定するということであれば対象が明確でありますが、文化芸術となると、一体どこまでの範囲で文化を振興しようとしているのか。また、本市では、市民が活発に文化芸術活動を行っていますが、あえて条例を制定する必要性はあるのでしょうか、見解をお伺いします。

    次に、総合文化施設について、お伺いします。

    総合文化施設については、先ごろ示された整備計画に基づき、今後は、民間のアイデアやノウハウを生かすことができる手法などを取り入れていくということですが、市がイメージする附帯民間施設の内容程度では民間のアイデアやノウハウを生かすことができず、にぎわいや活性化にもつながらないのではないかと考えますが、市長の見解をお伺いします。

    次に、寄附の申し出がある美術館について。

    市長は、戦略的な視点を持って都市経営を進めていくと述べられていますが、このたびの美術館の件につきましては、どうしても唐突感が否めません。たまたま寄附の申し出があり、ただ単にそれをもらうというように見えてしまう。美術館を持つということについて、そもそも市として必要性を認識していたのか、お伺いします。

    次に、東高野街道の整備について、お尋ねします。

    東高野街道について、「出屋敷地区の景観舗装を行うなど歴史の道として市民に広く周知します」としていますが、整備する必要性や効果について疑問があります。そこで、整備の目的と効果はどのようなものか、また、どんな戦略性があるのか、お尋ねします。

  •  次に、文化芸術の範囲でございますが、国の法律である文化芸術振興基本法の基本施策では、音楽や演劇、美術などの芸術、また伝統芸能、茶道、書道等の生活文化などが示されています。本市の条例においても、国の示す文化芸術に準じ、芸術を初め広く文化を対象とする考えです。

    次に、文化芸術振興条例の必要性についてですが、地方都市の画一化が進む現在、本市の特色となっている市民の活発な文化芸術活動はまちの財産であり、文化芸術の振興は魅力あるまちづくりのために欠かすことのできない重要なテーマの一つであると考えています。また、子どもたちや若者が早い時期から身近に文化芸術に触れることで、感性や創造性を育むなど、人の心を育てるのも文化芸術の持つ力と言えます。

    一方で、文化芸術を育む主役は、まさに市民の皆さんであります。市民の皆さんと市、芸術家、事業者などが一緒になって文化芸術の振興に取り組むことが重要であり、文化芸術に対する認識と目標を共有し、継続的に取り組みを進める上でも、条例は必要であると考えております。
     次に、総合文化施設につきましては、市としましても、にぎわい創出の観点から、民間施設との合築の可能性についてさまざまな形で調査を行ってまいりました。市駅周辺の事業者などに対する参画意向確認を初め、PFI導入可能性調査においても、日本有数の建築事業者及び設計事業者を対象に、複合施設の可能性について調査を行いました。また、総務常任委員会からいただいた所管事務調査の中間報告を受け、再度、商業コンサルタントやデベロッパーなどにもヒアリング調査を実施いたしましたが、大規模な商業施設の建設の可能性や事業費を圧縮できるような提案は見出せませんでした。

    こうした状況の中で、整備計画案では、民間活用スペースの活用例として、一定の集客が見込め、かつ、単なるカフェやコンビニ程度ではない事例を調査し、イメージとして示したところであります。

    また、今後、設計段階におきまして、ホールの音響設備や舞台機能を初め、民間活用スペースの活用や維持管理コストをできる限り抑えた施設にするなど、さまざまな分野において民間のアイデアやノウハウを取り入れることにより、周辺のにぎわいや活性化にもつなげてまいりたいと考えております。そのためにも、設計者を選定する手法としてプロポーザル方式を採用し、事業者からさまざまな提案を募った上で、より本市の施設にふさわしい設計者を選定してまいりたいと考えております。

    次に、寄附の申し出がある美術館について、お答えいたします。

    本市では、以前から美術館レベルの本格ギャラリーの整備を計画しており、このたびの美術館の寄附の件につきましては、寄附のお申し出をお受けすることで、施設規模や内容など、これまでの計画に沿う形で整備することが可能となりますことから、寄附をお受けしたいと考えているところでございます。美術館は、今後末永く、市民文化の向上に役立ててまいりたいと考えております。

    次に、東高野街道でございますが、当街道は、京都と高野山を結ぶ道で、平安時代の終わりごろから高野山参詣が盛んになり、多くの人が行き交う重要な交通路でございました。出屋敷地区は、本市域で東高野街道が集落内を通過する唯一の集落で、伝統的な外観を持つ民家が点在し、集落南端には東高野街道の標柱が建っております。そこで、景観舗装を行うなど、東高野街道を歴史の道として広く周知し、郷土の歴史に対する市民の関心を深めることを目的とするものでございます。地域に固有の歴史と文化をまちの個性として継承していくことは、市民のまちに対する愛着や郷土への関心を高める効果があり、まちづくりにおける戦略の一つであると考えております。
    竹内 脩市長

  •  次に、文化芸術の振興に関する条例の制定について。

    文化を広く対象とするということですけれども、すべての文化の振興を行政が取り組む必要があるのでしょうか、見解をお伺いします。

    次に、総合文化施設について。

    総務常任委員会の報告を受けてということですけれども、最終報告の調査の報告、提言の内容と若干の違いがあるように思います。また、再整備ビジョンは動かないのに、ここだけ拙速に進めているようにも感じます。駅前再整備についてはまだ調査をしているだけで、遅々として進んでいるようには思えません。文化施設を駅前のにぎわいの拠点とするのであれば、駅前再整備のビジョンとの連動性をもっと考えるべきではないでしょうか。そして、現在の市民会館大ホールも、耐震化しているが、四、五年で使わなくなるのでしょうか。耐震化するなら長く使うと思っていたとの声を多くの市民からもいただいております。(仮称)枚方市市民まちづくり基本条例以上の疑問の声が議会からある中、じっくり進めるべきと意見しておきます。

    次に、寄附の申し出がある美術館について。

    確かにありがたい申し出なのかもしれません。しかし、総合文化施設と同様に、急ぎ過ぎではないでしょうか。年間運営費は約7,000万円程度かかることもあります。この件、どうしても後付け感がぬぐえません。戦略的なまちづくりをしていくとおっしゃっていますが、正直、寄附があるからもらうということではないのでしょうか。生涯学習施設と図書館の指定管理で経費を捻出できるということですが、具体的な効果額が示されているわけでもありません。市民ニーズを酌み取るということであれば、文化行政の前に、子育てや浸水への対策などやるべきことは山積みです。少し冷静に考えるべきと意見しておきます。

  • 次に、文化芸術の振興に関する条例の制定について、お答えいたします。

    条例では、文化の範囲を広くとらえておりますが、具体的な施策の実施については重点化を図る必要があると考えており、今後、文化芸術振興計画を策定する中で検討してまいります。
    竹内 脩市長

  • 次に、文化芸術の振興に関する条例の制定について。

    文化芸術振興条例についての施策の重点化ということであれば、範囲が非常に広い文化芸術という分野において、本当に振興の条例が必要なのか疑問です。慎重に議論していく必要があるのではないかと意見しておきます。