図書館運営について

平成25年決算特別委員会(第2日目) 開催日:2013.10.07

  • 続きまして、図書館運営について、お伺いします。

    決算概要説明書184ページの図書館費について、お尋ねします。

    図書館費は、9億2,621万2,597円で、そのうち図書館資料購入経費、これは186ページですが、逐次刊行物購入費と図書購入費を合わせて6,696万5,070円となっておりますが、まず、図書購入の基準について、お聞きしたいと思います。

    これまでの答弁では、図書館は社会教育機関としての役割と、地域の情報拠点としての役割があって、図書資料は蔵書計画基本指針や選書基準に基づいて購入しているとのことでした。図書館の役割を十分果たすために、図書資料の充実は欠かせないものです。昨年の決算特別委員会で、近隣の本屋さんで買える書籍、また流行の本や一過性の書籍について、資料としては必要でも、購入は最低限にとどめるべきではないかと意見を申しあげました。しかし、現在も、購入書籍の一覧を見ていますと、図書館が購入するべきなのか疑問に感じる書籍が掲載されているときがあります。この1年間で、何か具体的な変更があったのでしょうか。

    流行の本や一過性の書籍について、具体的に金額ベースで変わったのであれば、お聞かせください。

  • お答えします。

    図書館では、社会教育施設としての役割や多岐にわたる市民のニーズを踏まえ、流行の本から実用書、入門書から専門書まで、学問体系やバランスを意識した図書の選定を行っています。平成22年度から、ベストセラー図書についても、同一本の購入冊数に上限を設け、全館で15冊という一定の制限を設けています。

    ベストセラー図書の購入状況ですが、出版取次最大手の年間ベストセラー図書の上位20冊で見ますと、本市における平成23年度の購入冊数は191冊で、全購入冊数3万2,879冊に占める割合は0.6%、平成24年度は155冊で、全3万5,897冊に占める割合は0.4%となっています。

    また、当該年間ベストセラー図書購入費は、平成23年度は26万5,298円で、図書購入費総額に占める割合は0.5%、平成24年度は18万4,338円で、図書購入費総額に占める割合は0.3%となっています。
    岡村理恵中央図書館副館長

  • 図書館では、効率的、効果的なサービス提供という観点からどのような取り組みをされてきたのか、お聞かせください。
  • 中央図書館2階のこどものフロアの開館時間を午後7時まで延長しました。また、機械化ということでは、平成23年10月に自動貸出機を1台増設しました。自動貸出機による貸し出し冊数は2万5,961冊、利用者数は7,760人で、前年に比べて、それぞれ5.1%増、3.6%増となっています。

    さらに、長期延滞等の利用者81人に対して貸し出し制限を実施し、適切な蔵書管理に努めました。
    岡村理恵中央図書館副館長

  • 機械化によって、一定、効率化を図っていることは理解しました。そして、限られた予算の中、資料の充実を図るために、さらなる図書館運営の効率化が必要と考えます。

    そこで、自動車文庫の利用状況について、質問します。平成24年度の貸し出し冊数、利用者数及び人件費も含めた運営経費と貸し出しコストをお聞かせください。

  • 自動車文庫の利用状況について、お答えします。

    平成24年度の貸し出し冊数につきましては、5万113冊、延べ貸し出し者数は1万1,721人でございます。

    次に、運営経費につきましては、事務事業実績測定に基づく数字で説明いたしますと、人件費を含めた運営経費は1,870万4,000円、貸し出しコストは、1冊当たり373円でございます。
    岡村理恵中央図書館副館長

  • 中央図書館、分館、分室の貸し出しコストはどの程度なのか、お聞かせください。
  • 貸し出し1冊当たりのコストにつきましては、事務事業実績測定に基づく総事業費、これには各図書館に共通する図書購入費、コンピューターシステム経費は含まれておりませんが、これをもとに貸し出し1冊当たりのコストを計算しますと、中央図書館が188円、分館が平均136円、分室が平均214円となっています。
    岡村理恵中央図書館副館長
  • 自動車文庫の貸し出しコストは、中央図書館、分館、分室に比べて、かなり高くなっており、自動車文庫については、その利用状況に見合った経費のかけ方になっているかは疑問です。
     昨年の決算特別委員会でも、「中央図書館、分館、分室の各図書館施設と自動車文庫について、利用状況などを踏まえ、最適な役割分担と配置を検討する中で見直しを図ってまいります」との答弁がありましたが、この1年間でどう具体的に見直しを図ってきたか、また、今後の方向性について、お聞かせください。
  • 自動車文庫につきましては、お住まいの地域にかかわらず、可能な限り等しく図書館サービスを届けたいという願いのもとに、図書館施設によるサービスを利用しにくい地域の市民に対して図書館サービスを届ける、いわば図書館サービスのセーフティーネットの役割を果たしております。

    一方、図書館では、従来、効率的、効果的な図書館運営に向けて、人件費を中心とするコスト削減に取り組んできたところでございます。

    自動車文庫サービスの見直しにつきましては、経費のかけ方の視点とともに、その役割も踏まえつつ、他の施設との役割分担も勘案しながら、図書館全体としてその在り方をさまざまな角度から検討する必要がございますので、枚方市立図書館第2次グランドビジョンの計画期間の終期に向けて、慎重に検討してまいります。
    米倉仁美社会教育課長

  • 自動車文庫については、歴史のある事業ですが、図書館網が整備された今、費用面や利用者数からして、廃止を含め事業の在り方を見直す時期に来ていると思います。図書館に来ることが困難な方のサポートと言うのであれば、全く別の形での運営を含め、比較検討を行い、見直しを図っていただくよう要望します。

    実費負担なら、図書館法第17条に抵触しないと聞いておりますので、宅配サービスなども一つの考えだと思います。

    また、図書館の業務ごとのコストを算出することにより、図書館の本当の役割として果たさなければならない業務と、効率化を図れる業務が見えてくると思いますので、ぜひ、そのような分析を行っていただくことも要望します。