職員の昇任試験について

平成25年第3回定例会(第3日)  開催日:2013.09.19

  • 次に、職員の昇任試験について、お尋ねします。

    私は、昇任試験を実施することはめり張りのある人事制度を構築し、また、意欲のある職員の登用は組織の活性化につながり、ひいては、今後の枚方市を発展させていくために、必要不可欠な制度だと考えています。

    このような中、本市における昇任試験は、職員のキャリア形成の節目に当たるそれぞれ管理職員と監督職員への登用に当たる課長代理と主任の2つの職制で実施されているとお聞きしました。

    それでは、まず管理職員への道となる課長代理昇任試験の意義とこれまでの受験率の推移について、お尋ねします。

  • 職員の昇任試験について、お答えいたします。

    昇任試験につきましては、円滑な人員配置を行う観点から、意欲のある若手職員の積極的な登用を図るとともに、昇任への公平性、透明性並びに客観性を高めるために実施しているところでございます。

    その受験率につきましては、5年前の平成20年度実施分で55.5%、平成21年度が48%、平成22年度が38.9%、平成23年度が34%、昨年度、平成24年度は26.7%となっております。
    長沢秀光総務部長

  • 次に、職員の昇任試験について、2回目の質問をいたします。

    先ほどの総務部長の御答弁で、課長代理への昇任試験の受験率をお聞きしましたが、5年前の55.5%に比べて、平成24年度の受験率は26.7%、半分以下になっているといった結果であり、私は非常に残念なことだと感じました。5年で半減しているわけです。

    私としては、長沢部長には下がったら上げ返す、倍返しだと、そういう気概を持って取り組んでもらいたいなと思っているんですけれども、私が思いますに、課長代理といった管理職の職制は、担うに当たり魅力ある職制と映っていないためではないでしょうか。

    また、職員の多くはモチベーションが低く、課長、次長、部長と上に上がっていく意欲がない表れなのでしょうか。その妨げになっている要因には、課長代理であっても係長であっても給料が余り変わらないこと、すなわち、昇格しなくても給与が上がる給与制度にも問題があるのではないでしょうか。

    そこで、課長代理昇任試験の対象者及び受験者数を踏まえつつ、なぜ受験率が減少しているのかについての原因と、私は現行の給与制度に課題があるのではないかと考えているのですが、その点をどのようにとらえているのか、見解をお尋ねします。

  • 受験率が減少している要因につきましては、一概に職員の意欲が低いといったことだけとはとらえておらず、職員それぞれの職務、職責に対する考え方並びに価値観等々の違いによることが大きいのではないかと考えております。

    現行の給与制度、給料表につきましては、職責の重い上位の職制を担うことによって給料が上がる、職務、職責を踏まえためり張りのある制度設計となっており、給与制度上におきましても、昇格に対する動機付けが図られているものと考えております。
    長沢秀光総務部長

  • 給与制度について、職責を踏まえためり張りのある制度設計と言いつつも、一方で同じ職制でいながら、経験が蓄積されたとして昇任したかのように給料が上がっていくことは不自然に感じます。

    また、職務が8級から1級まである中で、職務の級の低い職員が職務の級の高い人間よりも年収額が高くなっている逆転現象もあります。今すぐに見直しができるとは思いませんが検討を加えていただき、少しでも改善を図っていただきたいです。

    このような中において、少なくとも人事考課である評価制度を活用してめり張りのある給与制度を構築していく必要があると考えています。

    課長代理以上の管理職員については、既に給与への反映を行っているとのことですが、係長以下については、評価自体は実施しているものの、いまだ未反映であると聞いていますし、評価の区分はAを標準とするS、A、Bの3区分しかありません。めり張りを付けるため、せめてSS、S、A、B評価の4区分にしてはいかがでしょうか。

    そして、過去の質疑で明らかになったように、標準未満とするB評価を受けた職員はごくわずかでありますが、このような状況でめり張りのある制度と言えるのでしょうか、見解をお尋ねします。

  • 評価制度を導入している目的といたしましては、職員の人材育成にある、このように考えております。単に結果だけに目を向けるものではないと考えております。評価期間中におきまして、適切な指導や助言を与えることで職員自らが気付きを得て、成長、向上していくことを目的としていると考えております。

    係長以下の管理職員以外の職員につきましても、評価制度の目的が先ほど申しました人材育成にあることを踏まえまして、本格実施に向け取り組んでまいりたいと考えております。
    長沢秀光総務部長

  • 評価制度は人材育成が目的であることは理解できるものの、めり張りのある給与制度の一つのツールとして評価制度を機能させていただき、係長以下の非管理職員についても評価制度を早期に実施してほしいと思います。

    では、少し話を戻すことになりますが、冒頭1回目の質問の際、課長代理の昇任試験の受験率についてお尋ねしたところ、5年前と比較して受験率が半分以下といった内容でした。これは、課長代理になれば、管理職員として職責が重くなること以外に職員の労務管理を行う必要性が生じてくるためではないでしょうか。

    受験率が低い要因として、確かに職員それぞれのライフスタイルの違いから、課長、次長、部長といった、職員の労務管理を行いつつ、ゼネラリストを目指すのではなく、技術力を高め、経験を蓄積し現場で高度な専門知識を生かして、プロフェッショナルとして従事したいと考えている職員も存在するのではないでしょうか。

    そこで、特定の分野に専任することを目的とした人事制度、いわゆる複線型の人事制度を明確に構築してはどうかと考えますが、見解をお尋ねします。

  • 職員の資質に関しましては、それぞれ異なる部分があり、複雑・多様化する市民ニーズに応えるため、管理職として職員の労務管理をするという立場ではなく、今、議員がお示しの特定の分野に関して、より一層掘り下げて業務を専門的に遂行する立場を望む側面もございます。

    今後さらに、中核市移行や地方分権改革の進展に伴い業務範囲が拡大し、その内容も高度化、専門化することから、平成25年1月に策定いたしました人材育成基本方針に基づき、特定の分野に精通した管理職の配置、いわゆる複線型人事制度の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
    長沢秀光総務部長

  • 今回、職員の昇任試験を切り口に、職場の活性化、職員の意識改革を図るためには、さまざまな人事施策を講じていく必要性から、給与制度、評価制度の見直し、複線型人事制度の構築などを図ってはどうかと質問させていただきました。

    最後に、市長にお尋ねします。

    今後、市長としてさらなる職場の活性化、職員の意識改革を行うことに対してどのように考えておられるのか、見解をお尋ねします。

  • 職場の活性化、職員の意識改革を図るためには、職員一人一人のモチベーションの維持、向上を図ることが大前提でありますことから、その一つとして、めり張りのある給与制度の確立を初め、仕事へのやりがい、満足、そして職員がやる気を沸き立たせる人事施策を構築していくことが重要なことであると考えております。

    本市の魅力を凝縮した健康医療、教育文化の都市ブランドを積極的に発信し、市役所に一体感を生み出すためにも、職場の活性化また職員の意識改革を進める必要があると考えております。

    今後とも市民の信託に応えられるよう、市役所改革に努めてまいります。
    竹内 脩市長

  • 枚方市の行政組織の活性化のため、ぜひ、今御答弁いただきましためり張りのある給与制度の確立、やりがい、満足、やる気を沸き立たせる人事施策の構築を要望します。