定時制高校の魅力に関する広報について

  • 先般、桜塚高校の定時制に視察に行きました。
    かつては勤労学生が中心であったが、現在は不登校の経験がある生徒や、支援が必要な生徒たちが学んでおり、校長先生をはじめ教員の方々が、これらの生徒に適切な支援ができるよう、日々ご尽力されている状況を拝見して感銘を受けました。
    しかし、定時制高校は志願者の減少によって定員割れを起こしており、こうした魅力ある取組みが、中学生や保護者に十分に伝わっていないのではないかと感じているところです。
    加えて、定時制高校各校のホームページを見させてもらったが、学校によってバラバラという印象をもっており、個々の学校の担当者まかせになっているのではないかと懸念しています。
    そこで、中学生が進路選択を行う際に参考となるよう、教育庁として定時制のポータルサイトを作成したり、各学校のホームページがより分かりやすいものとなるよう教育庁が技術的な支援を行うなど、定時制高校の魅力を広報することが必要だと考えますが、高校教育改革課長の所見をお伺いします。
  • (高校教育改革課長)
    ●委員ご指摘のとおり、定時制高校では、近年、勤労青少年の割合が減少し、例えば不登校経験のある生徒など、多様な背景を有する生徒が増加しており、定時制高校はこうした生徒の多様なニーズを受け止める学校として、重要な役割を果たしている。
    ●府立高校においては、近年の志願者の状況も踏まえ、それぞれの学校の特色や魅力が中学生や保護者にしっかり伝わるよう、広報に取り組む必要があると考える。
    その中で、重要な役割を果たしている定時制高校においても、そうした特色・魅力について、しっかり伝えていくことが必要である。
    ●教育庁としても、各校の特色や魅力を伝えるべく、広報の取組みについて技術的な面を含めて支援するとともに、教育庁のホームページのリニューアルについて検討するなど、定時制高校を含めた府立高校の魅力発信に努めてまいる。
  • まず大前提として、中学生自身が進路選択を行う際、様々な学校があることを知った上で、吟味してもらって選んでもらうことが不可欠であります。
    その意味で、教育庁が府立高校の魅力をしっかり引き出して広報をすることは極めて重要です。
    そうした中で、まだまだ府教育庁として取り組むべきことがあるんじゃないかと思って質問をさせていただきました。
    先の森田議員の質疑でもありましたが、定時制高校という学校の形が多様な学びを求める受け皿の一つとなっているものの、一方でそうしたことがそうした学びを求めている方々にしっかり認知されてないのではと感じています。
    ご答弁でありました教育庁のホームページリニューアル、結構なことでございますが、それで十分なのでしょうか。
    それぞれの学校、発信に本当に苦慮されています。
    今回のリニューアルの取り組みが個々の学校のPV増加や、引いては申し込み者数の増加・つまり生徒の進路検討に寄与するものなのかどうか。そういった点にも思いを馳せていただきたいです。
    リニューアルの中で、大阪の定時制高校をはじめとして、様々な学びの多様化に対応した大阪での学びに関するオウンドメディアを立ち上げていただくこと、こうした発信の活動に対する価値重要性を認識いただいて、お金をかけていただきたいと思います。
    また、今回なぜ定時制高校の発信のことを取り上げているか、これは通信制高校から攻勢をかけられている、そういった状況があります。
    一例として検索エンジンで定時制高校を検索すると、、これはサジェストという機能なのですが、『定時制高校 やめとけ』と出てくるわけです。
    ちなみに、通信制高校で調べても サジェストには『通信制高校 やめとけ』は出てきませんでした。
    で、不安感を煽られ『定時制高校 やめとけ』の検索結果を見にいくと、定時制のネガティブキャンペーン一色で、通信制高校への誘導がされるという、記事風の広告が並ぶ状況です。
    定時制高校を調べているはずなのに、いつの間にか民間の通信高校に資料申し込みをしてしまう。
    私学の通信制高校の草刈り場となっている現状の認識をお持ちいただきたいと思います。
    職員さんとのお話の中で、個々の学校の発信に対して、「個々の学校が主体的に行うべきもの」というお話が出たりしましたが、学校の魅力を取り上げるのは第三者的な視点でもできることがあるはずですし、教育庁としてできるサポートは最大限すべきです。
    職員さんと話していて、定時制高校はじめ府立高校のWEB広告についてはこれまで検討をされてこなかったようでしたが、広告課金は直接的に進路指導のターゲットに見てもらえる、効果が見込めると思いますので、こうしたことも一度検討いただきたいと思います。
    進路選択を迎える生徒・保護者に様々な観点から材料が提供され、よりそれぞれにあった進路選択が可能となるよう、府立高校の発信支援について取り組みを要望しておきます。