職員の退職について

  • 次に、3.職員の退職について、お伺いします。
    最近、私のまわりで若手や中堅職員の早期退職の話を聞くことがありました。
    昨今のコロナ禍の状況も含め社会情勢や個々の働き方が大きく変化する中、職員が職場や仕事に対して求めているものも大きく変わってきているのかもしれませんが、せっかく本市の正職員として採用したにも関わらず、職員が若くして退職するということは、職員本人はもとより、採用に係るコストのことなどを鑑みても非常に大きな問題だと考えます。
    そこでまず、本市の若手・中堅職員が退職する人数の推移と、若手職員の意識の変化に対する見解や退職の主な要因について、お聞きします。
  • (総務部長)次に、3.職員の退職について、お答えします。
    本市の若手・中堅職員である20歳代~30歳代の退職者数の推移ですが、令和元年度は18人、令和2年度は17人、令和3年度は19人とおおむね横ばいで推移しています。
    若手職員の傾向としてですが、仕事に対して「自分らしさ」や「自由な働き方」に対する意識が強まりつつあると感じており、定年まで一つの組織で働くといった意識も薄らぎつつあるのではないかと感じます。
    退職の主な要因としては、ライフステージの変化や、転職などの新たな分野への挑戦など、さまざまな理由があると考えています。
  • 若手職員の意識の変化に対する市の見解について、一定理解しました。
    職員の退職については、毎年一定の早期退職者が出ていて、おおむね横ばいの推移とのことでしたが、もう少し過去をたどると、今より少ない状況でした。
    また私が、とある若手職員から聞いた退職理由は、異動先において自分自身が求められていないと感じたり、自分の得意分野や特性が生かされていないと感じたりすることがあり、現在の仕事に対するモチベーションが低下した、といったものでした。
    繰り返しになりますが、社会的に仕事に対する価値観が変化している中、本市の将来を担う若手職員の価値観もまた大きく変化しているのではないかと考えていて、一般的には「自分の考えや行動を受け入れられたい」といった承認欲求や「指摘を受けた際に落ち込みやすい」といった傾向も強いようです。
    今後はそういった若者世代の価値観も踏まえていく必要があると思いますが、例えば、人事異動について、どのような目的・考えで実施し、職員一人ひとりの異動希望をどのように反映し、異動先を決定しているのか、本人の希望どおりに異動した職員の割合も含め、お伺いします。
  • (総務部長)人事異動に関しましては、各年度における執行体制の確立と人事の刷新を図ることを目的に、効率的かつ効果的な、コンパクトで機動力のある組織の構築を目指すという考えのもと実施しております。
    職員の異動希望につきましては、個々のヒアリング内容をもとに各部署での異動に対する考え方等も鑑み判断しているところですが、特に若手職員に対しましては、公務員としての成長やキャリア形成も踏まえ、例えば事務職であれば、内部管理職場のほか、健康・福祉、税務などといった市民サービスの最前線の職場ももちろんのこと、幅広い経験を積み上げてもらうことを念頭において決定しております。
    なお、異動希望の意思表示があった職員のうち、異動した職員は約5割で、うち希望に合った異動者は約7割となっております。
  • 確かに、入職して早い時期に市民対応や現場を経験することが必要だということは十分に理解していますが、私としては、良い意味で個性的な職員であればあるほど、できるだけ早く適性にあった分野を決定してあげることも良いような気がします。
    職場としても、そういった多様な人材が活躍できるような組織にしていく必要があると考えていますので、取り組みを要望しておきます。
    また異動に関し、一定数は希望どおりとなっているとのことでしたが、希望に沿わない場合も、ある程度は本人にも説明が必要と思います。
    そして特に管理職の配置については、所属職員に与えるパフォーマンスへの影響や、その与えられている権限、また市民との関わり度合いを鑑みると、さらに慎重を期すべきだと考えますが、改めてその考え方について、お聞きします。
  • (総務部長)管理職の配置に関しましては、これまでのキャリアで培ってきた知識や経験、また、マネジメント能力や専門性等を総合的に勘案した上で、適材適所の配置を行っているところでございます。
  • 管理職の配置に関し、適材適所の配置を行っているとのことですが、仮に新たに配属された部署が当事者にとって適所でなかった場合、事業の進捗にも影響が出ることにつながると考えていますので、管理職員の特性や資質を十分に見極めた上で、適正に配置するようお願いしておきます。
    何とは言いませんが、仮に能力があっても、思いがない部署に配置されて、全く物事が進まない、そんなことがあっては、周りにとっても、関係する市民にとっても不幸なことですし、市にとっても大きな損失です。
    そういうことにならないよう、しっかり見極めをお願いします。
    次に、先ほどの答弁で、人事異動の際には個々にヒアリングを実施しているとのことでしたが、部長など経営層自身も若手職員の思いや考えも認識した上で組織運営を行っていくなど意識改革が必要だと思いますが、見解をお聞きします。
  • (総務部長)若手職員の価値観や仕事に対する思いを認識することが重要であり、また所属職員の異動に対する思いや考えを把握の上、自身の組織運営のあり方や全体のバランスも踏まえつつ、本市の将来を担う人材の育成、成長といったことも鑑みながら、適材適所の配置となるよう取り組んでいるところございます。
    加えまして、私ども経営層自身が現状にとどまることなく、職員個々の特性を生かすことでモチベーションアップにつなげていくことや、新たなことへ積極的に挑戦できるような組織の構築といったことについても機会を捉えて取り組んでいるところであり、今後も継続的に意識改革を進めていきたいと考えております。
  • 最後に、改めて若手・中堅職員の退職に関して少し触れますが、本人からの申し出があったときというのは、すでに本人が退職の意思を固めた後であるため、引き留めることはほぼ不可能かと思われます。
    言わば、その段階では取り返しがつきません。
    そういった状況とならないよう、経営層や管理職の皆さんには、日ごろから若手・中堅職員による何気ないサインを、日々のコミュニケーションや目配り、気配りなどから敏感に感じ取ってほしいと考えています。
    若手・中堅職員のモチベーションの向上を図り、多様な人材が活躍できる組織となるよう、引き続き職場環境の改善に努めていただきますよう要望しておきます。