新型コロナウイルス感染症患者への対応について

令和2年6月定例月議会 開催日:2020.6.22

  • 新型コロナウイルス感染症における保健所の業務は、受診相談センターとしての相談対応、PCR検査の検体搬送、医療機関への患者搬送、積極的疫学調査、患者支援など多岐にわたり、特に4月から5月にかけての感染拡大では、激務に追われていたと推察します。
    先の全員協議会のなかでも、保健所職員だけでは対応できず、庁内の様々な部署からの応援があったとの報告がありました。
    そこでお伺いします、感染症に係る業務の所管は保健所保健予防課となっていますが、職員の応援等人的支援はあったのでしょうか?
  • 保健所に対する人的支援につきましては、新型コロナウイルス感染症への対応が土日祝日、24時間体制の業務となり、特に感染症業務を所管する保健予防課感染症グループでは、職員の退職や病気休暇で稼働できる職員が3名となり人員不足となりました。
    そのため、保健所内の他課はもとより、他部署の保健師や事務職員の応援、会計年度任用職員として、感染症業務経験のある保健師を急遽採用し対応に当たりました。
    また、6月には新たに正職員の保健師を3名増員し、今後、懸念される新型コロナウイルス感染症の再拡大に備え、人材育成を行っているところです。
  • 新型コロナウイルス感染症への対応が24時間体制の業務となり、保健所として人員不足であったことから、他部署の職員や採用を行い対応されていたとのご答弁でした。
    さて、本市での新型コロナウイルス感染症の患者発生は41名と公表されています。
    こうした方々の医療機関への搬送は保健所の業務とされていますが、その患者搬送件数と患者搬送の方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
  • PCR検査を実施する時点で既に入院していた患者さんや、大阪府が用意したホテルでの宿泊療養、及び自家用車を使用して入院した患者さんなどを除き、職員での患者搬送は9件です。
    搬送の方法は2通りあり、いずれも感染対策上の措置を講じ、また、患者さんの急変に備えるため、必ず保健師が同伴しております。
    搬送方法のひとつ目は、民間の患者搬送車を利用する方法で、これまで5件の搬送を行いました。
    もうひとつは、カバー付き車いす型のアイソレーターに患者さんが座った状態で、公用車に収容し、医療機関へ搬送する方法で、搬送件数は4件です。
  • 患者搬送には公用車のアイソレーター、そして民間の患者搬送車の活用と2通りあることが分かりました。
    そこで更にお伺いします。
    車いす型のアイソレーターを使用する場合は、ヒアリングの際、アイソレーターや収容する公用車の写真を拝見しましたが、扱いが難しい印象を受けました。
    患者搬送においては、いち早く医療機関へ搬送することが重要ですが、そのための操作手順などのマニュアルはあるのでしょうか。
    また、スムーズに搬送できるよう練習は行っていたのでしょうか。
  • 患者搬送の専任職員はおりませんので、操作手順を記載したマニュアルを作成し、年2回訓練を行ってきましたが、実際に搬送を行うのは、この新型コロナウイルス感染症での対応が初めてでした。
    4月から5月にかけての感染拡大期は、改めて訓練を行う時間は取れず、職員が交代で対応する際に、マニュアルの確認のみとなっていました。
    今後、懸念される新型コロナウイルス感染症の再拡大に備え、改めて患者搬送について職員の教育を行うとともに、民間の患者搬送車も最大限に活用し、スムーズな患者搬送に努めます。
  • 感染拡大期では、マニュアルの確認のみということで、非常に手間取り、搬送に時間がかかったケースもあったと聞きます。
    保健所の業務は多岐にわたるために、これだけとはいえないですが、今後はこうした想定も含めて技術を身につけておく必要があると思います。
    また、患者さんを搬送する際は、迅速に搬送しなければなりませんが、一方で近隣の方に知られることの無いように行い、患者さん・ご家族の人権を最大限に守ることが求められます。
    そうした意味で、保健所内でどういったことに配慮されているのでしょうか。
  • 患者さんを搬送する際は、職員が防護服を着用していることから、患者さん・ご家族が特定されることを避けるため、救急車のように患者さんのご自宅へ迎えには行きません。
    患者さん・ご家族と相談して待ち合わせ場所を決めますが、配慮している点は、近隣の方にわからない様、ご自宅から離れているが、患者さんが歩ける範囲であること、民間の搬送車を使用する時はマイクロバスが、職員の搬送であれば公用車2台分の駐車スペースがあること、人目につきにくい場所であること、公的施設のスペースであることなどを考慮しています。
    また、入院先まで安全に、そして、できるだけ短時間で搬送できるよう心がけています。
  • 患者搬送業務については、これまでも言葉としてはあったものの、個別には、なかなか想定できていなかったと思います。
    その場面・場面ではしっかりと対応頂いたものと思っていますが、今後はより迅速に搬送できるよう職員のスキルを上げていただきたいと思います。
    また、カバー付き車いす型のアイソレーターは、車いすにビニールが被せてある構造で、これから暑くなる季節では、熱中症の心配があるように思います。
    実際に患者のご家族からも、そうした不安の声を聞きました。
    今後は民間の搬送車を最大限に活用し、患者さんに負担のない様に行っていただきたいと思います。
    何より重要なことは、患者さん・ご家族の人権が守られるよう、搬送の際の待ち合わせ場所の選定には、引き続き最大限の注意を払い、準備していただきたいと思います。
    その準備の一つとして、庁内、教育委員会も含め全庁内に、事前に患者搬送する際には公的施設を使用することもあるとアナウンスしていただき、市として、安全かつ迅速に搬送できる体制を確立いただくよう要望します。