国民健康保険の運営について

平成29年予算特別委員会(第6日目) 開催日:2017.03.24

  • 国保特別会計について、質問させていただきます。

    国保特別会計の平成29年度予算案の概要説明をお願いいたします。

  • 平成28年10月の社会保険制度の改正に伴い、これまで国保に加入していた短時間労働者の一部が被用者保険へ移行したことなどが影響し、年度当初の一般被保険者数は前年度比で5,200人、世帯数で2,200世帯減少するものと見込んでいます。

    また、高齢化、低所得化がさらに進むものと考えています。

    一方で、医療の高度化の影響もあり、1人当たりの医療費は増嵩しております。

    このような現状と平成30年度からの国保財政の広域化を踏まえ、平成29年度国民健康保険特別会計予算を編成しました。

    歳入では、これらの状況から保険料を適切に算定した結果、保険料収入としては前年度と比べ0.8%減少しました。

    また、国・府からの交付金等は0.9%減少。

    逆に、歳入のうち最も割合の大きい被用者保険からの交付金、前期高齢者交付金は1.9%増加しました。

    また、保険料軽減のための一般会計からの基準外繰り入れを行わず、法定分のみを計上しました。

    次に、歳出では、被保険者数の減少や国の制度改正を反映し、保険給付費は前年度と比べて2.1%減少しました。

    国が示す後期高齢者支援金は1.9%減少、介護納付金は0.8%増額となっています。

    また、府内保険者間の再保険事業である共同事業については、交付金と拠出金をそれぞれに計上しておりますが、拠出超過額が7億4,468万6,000円で、平成28年度の約3倍となっております。

    藤本久美子国民健康保険室課長

  • 今、概要をお話しいただいた中で、保険料設定については適切に行ったとのことですが、現在の累積赤字の状況はどのようになっているのでしょうか。

    また、平成29年度末までに赤字解消は達成できる見込みなのかもお聞かせください。

  • 平成27年度末の実質収支の赤字額は、10億3,395万1,000円となっています。

    平成28年度の決算はこれからとなりますが、赤字解消計画に基づき、一般会計からの繰り入れも活用し、平成29年度末までの解消を目指しております。

    藤本久美子国民健康保険室課長

  • 平成29年度で解消するということなんですが、仮に平成29年度末までに赤字が解消されなかった場合、大阪府から何かペナルティー等があるのか。

    また、どのようにして解消するのかということもお伺いします。

  • 平成30年度以降の補助制度等につきましては、大阪府と市町村とのワーキンググループ等で協議されているところであり、現時点ではペナルティーについては定まっておりません。

    また、平成29年度末の時点で累積赤字がある場合は、当該市町村の責任で解消することとなります。

    藤本久美子国民健康保険室課長

  • 累積赤字がある場合は当該市町村の責任で解消するということが確認できました。

    続きまして、平成29年度末までの累積赤字解消と単年度での収支均衡を図る財政の健全化を目指すということで、保険者としての取り組みはどのように行っていくのか、お聞かせください。

  • 保険料滞納世帯の調査、分析に基づく債権回収対策の強化、資格管理の適正化、不当利得の求償やジェネリック医薬品の普及促進など医療費適正化の推進、特定健診の受診率向上の取り組み、データヘルス計画の策定などを行います。

    なお、これらの取り組みは、国や府の保険者事業評価の対象となり、国・府の特別調整交付金の増額につながるものと考えております。

    藤本久美子国民健康保険室課長

  • 今の御答弁にあったことというのは、平成28年度、これまでにやってきたこともあると思いますが、平成29年度の新たな取り組みとしてはどのようなものがあるのか、お聞かせください。

  • 新たな事業として、糖尿病性腎症重症化予防事業に取り組みます。

    この事業は、糖尿病が進行して腎疾患を発症している対象者に対し医療機関と連携した保健指導を実施し、さらなる重症化の結果として人工透析へ移行することを予防する事業で、国の推奨するプログラムに沿って行います。

    藤本久美子国民健康保険室課長

  • 特別会計として、一般会計の繰り入れに頼らず財政の健全化を図るには、保険者の一層の努力が求められると思います。

    特に、収納率や特定健診受診率については、目標値に見合う成果を期待しています。

    また、新規事業については、糖尿病の重症化予防に取り組むということでした。

    糖尿病については、過去に一般質問でも取り上げましたが、早い段階で対応すればするほど施策の効果が高くなっていくということも確認しています。

    ということなので、単に人工透析による医療費を縮減するだけでなく、患者さんのQOLの低下を防ぐなど、健康寿命の延伸という観点からも大切なので、ぜひとも効果的に進めていただきたいと要望しておきます。