国民健康保険の滞納への対応とコストについて

平成29年予算特別委員会(第6日目) 開催日:2017.03.24

  • 各特別・企業会計予算説明書23ページ、国民健康保険の事務経費について、お尋ねします。

    国民健康保険料は88億3,840万8,000円が計上されていますが、まず、平成27年度の保険料の収納率、また、現在の被保険者数と保険料の滞納件数はどれくらいになるのか、お聞かせください。

  • 平成27年度の保険料収納率は88.72%であり、平成29年2月末現在、被保険者は9万3,588人、保険料滞納世帯は、現年度分、滞納繰越分を合わせて1万2,484世帯です。

    池田芳敬国民健康保険室課長

  • 国民健康保険料については、被保険者の方々が、その能力等に応じ公平に負担いただいているわけですが、その中で、何らかの事情で保険料の滞納をしている世帯が約1万2,000世帯以上ということです。

    保険料の公平負担の観点から申し上げますと、滞納者をより少なくすることが重要ですが、これら滞納者に対し、どのような取り組みを行っているのか。

    また、次年度に向けての新たな取り組みがあれば、お伺いします。

  • 滞納整理への取り組みといたしましては、督促状や催告書の送付のほか、滞納者へ十分な聞き取りを行い、真に生活に困窮されている場合は、分納などの緩和的な対応や福祉的な施策への案内を行っております。

    一方で、十分な資力があるのに滞納している納付誠意のない滞納者については、財産の差し押さえや債権回収課への移管を積極的に行っております。

    また、平成29年度からは滞納処分を強化していくほか、新たな取り組みといたしまして、車やバイクのタイヤロック、差し押さえ財産のインターネット公売などを行っていく予定としております。

    池田芳敬国民健康保険室課長

  • 低所得の方からすれば、保険料の納付は大きな負担ではありますが、先ほどの御答弁から、9割近い方が保険料を納付されていることを鑑みますと、相応の事情が見当たらない悪質な滞納者については、滞納処分を厳格に行っていただきたいと思います。

    次に、費用対効果の観点から質問します。

    これら収納対策に係る費用として、平成29年度ではどのくらいの予算になるのか、費目別にお聞きします。

  • まず、通信運搬費として予算計上されている3,856万7,000円のうち督促状や催告書等の発送のために1,094万1,160円を見込んでいるほか、新たに滞納処分経費として34万円を計上しています。

    平成29年度から新たに予算計上いたしました滞納処分経費の内訳は、車等のレッカー移動費として2万円、インターネット公売の手数料として2万円、不動産鑑定手数料として30万円でございます。

    池田芳敬国民健康保険室課長

  • 平成29年度は新たに、車のレッカー移動やインターネット公売とか不動産鑑定に対して予算が計上されていますが、他の部署とも連携していただきながら、効果的な取り組みを進めていただきますよう要望しておきます。

    さて、いわゆる、払わない方々の中には、民間への支払いを先にして、公共の支払いは後回しにしてもいいという風潮があるのかもしれません。

    それは、民間は厳しく、役所は甘いという認識が長年にわたって築かれているからではないでしょうか。

    役所も厳しく対応するという認識を持ってもらうためのPRを強化してもらいたいと思います。

    しかし、一方で、税金や保険料、その他公共料金などの滞納が常態化されている人の中には、制度についての理解や滞納することの意味、また、生活面ではお金の使い方の優先順位、自身が置かれている現状などを正確に理解できない方も少なくないのではないかと思います。

    そのような方に対してのきめ細かなフォローが、長い目で見れば収納率の向上につながっていくかと思いますので、ソーシャルワーカーの方などとも連携しながら、きめ細かな相談にも力を入れていただくよう要望しておきます。