生活保護制度の運用の適正化について

平成26年第2回定例会(第4日) 開催日:2014.06.23

  • 生活保護法が一部改正され、大部分は7月1日から施行されると聞いておりますが、改正された内容と、今回の改正で生活保護の適正化にどのような成果が見込めるのか、お伺いいたします。
  • 3.生活保護制度の運用の適正化について、お答えいたします。

    今回の生活保護法の改正は、支援を必要とする人には確実に保護を行うという生活保護制度の基本的な考え方は維持しつつ、不正受給への厳格な対応、医療扶助の適正化、就労・自立支援の強化等、主に3つの点で行われました。

    1つ目は、不正受給対策が強化されました。福祉事務所から金融機関等への調査権限の強化や、不正受給を行った者への罰則強化及び返還金の上乗せができることにより、不正受給の円滑な調査活動や不正受給の防止に効果があると見込まれます。

    2つ目は、医療扶助の適正化を図るために、指定医療機関の要件の明確化や更新制が導入されました。また、医師が後発医薬品の使用を認めている場合には、福祉事務所は受給者に使用を促していくことができることになり、医療扶助のさらなる適正化が進められると考えております。

    3つ目は、自立時に一時金を給付する就労自立給付金制度が創設されました。これによりまして、保護廃止直後の不安定な生活を支え、生活保護から脱却するための意欲向上につながり、就労、自立の促進が図られる、こういう効果が見込まれます。
    山口 広福祉部長

  • 次に、生活保護制度の運用の適正化について。

    市では、生活保護の適正な実施のため、平成25年4月から、専用電話、生活保護情報ホットラインを設置し、生活困窮者や不正受給に関する情報を広く市民から求めてこられましたが、そのホットラインに寄せられた情報の状況と成果について、お尋ねします。

  • 生活保護情報ホットラインの昨年度の状況と、その成果について、お答えいたします。

    まず、生活保護情報ホットラインに寄せられた情報は延べ227件あり、その内訳は、生活困窮者に関する情報が15件、不正受給が疑われる情報が212件でありました。

    不正受給に関する情報212件のうち、44件は保護受給者ではありませんでしたので、残り168件について確認いたしましたところ、居住実態や世帯認定が申告と異なるもの、不正就労に関するもの、自動車の保有や使用に関するもの等がございました。

    次に、その対応結果につきましては、生活困窮者の情報提供から、4世帯の方が生活保護の開始につながり、不正受給に関する情報からは、22世帯が生活保護の停・廃止となり、18世帯に対して保護費の返還請求を行いました。

    また、不正受給に関する保護費の削減効果につきましては、生活保護の停・廃止による効果額が約1,400万円、保護費の返還金による効果額が約850万円、合計約2,250万円となっております。
    山口 広福祉部長

  • 次に、自立に対する取り組みについて、お伺いします。

    平成25年度より本市で実施している就労支援プログラムと、ハローワークの生活保護受給者等就労自立促進事業とで、ハローワークと福祉事務所で連携しながら就労支援を行っていると聞いています。平成25年度の状況と、今年度以降、その連携を強化する予定はあるのか、お伺いします。

  • 現在、保護受給者で働く能力のある方には、ハローワーク等の活用や、本市の就労支援プログラムへの参加により就労支援を行っておりますが、その中でも早期の自立が見込まれる受給者に対しては、ハローワークで実施されている生活保護受給者等就労自立促進事業につなげ、ハローワークのナビゲーターが集中した就労支援を行っております。

    平成25年度の実績としましては、ハローワークの生活保護受給者等就労自立促進事業への参加者が76人で、そのうち就労決定者が33人となっております。また、本市の就労支援プログラムへの参加者は294人で、そのうち就労決定者が164人となっております。

    本市では、ハローワークとの連携強化のため、生活保護受給者等就労自立促進事業の常設窓口を福祉事務所内に設置する予定にしており、現在、協議中でございます。常設窓口の設置は、福祉事務所とハローワークとの間で被支援者の情報の共有化が行いやすくなり、早期支援を徹底することにより、これまで以上に就労による自立の促進につながるものと考えております。
    山口 広福祉部長

  • ハローワークと連携強化を図り、保護受給者の早期自立に向けた取り組みを進められていることは一定理解いたしましたが、生活保護に至る前の段階から支援を行い、早期自立を目指すことを目的に、平成25年12月に生活困窮者自立支援法が成立し、平成27年4月から施行と聞いています。生活困窮者の中には、就労経験がない等、すぐ一般就労に結び付かない方もおられますが、豊中市では、このような方を対象に中間的就労事業を実施していると聞いています。この生活困窮者自立支援法の概要と、市は、施行に向け、どのように準備を進められているのか、お尋ねします。
  • 生活困窮者自立支援法は、自立相談支援事業や住居確保給付金の支給などの事業を実施することで、生活困窮者の経済的な自立や日常生活、社会生活の自立を図るもので、市が支援を行うべき必須事業と、選択可能な任意事業を規定しております。

    本市では、現在、平成27年4月の事業実施に向けまして、他市のモデル事業の実施事例などを参考にしながら、必要な準備に取り組んでいるところでございます。
    山口 広福祉部長

  • 来年度から法律が施行されるわけですから、中間的就労など先進都市の事例を活用いただき、自立に向けた取り組みをしっかり行っていただきたいと要望しておきます。