生活保護制度の運用の適正化について

平成25年第2回定例会(第2日) 開催日:2013.06.17

  • まず、生活保護制度の運用の適正化について。

    生活保護は、真に保護が必要な方が受けられるよう、その制度の運営については常に適正に行われるべきであると思います。全国的に生活保護受給者が急増している中、本市における生活保護受給者も決して少なくなく、生活保護制度の適正な運営を期待するところです。

    さて今般、国はことし8月から今後3年間、生活保護費を8%引き下げることを決めました。全国では740億円の引き下げとなります。今回の保護費の引き下げに至った経緯について、お伺いします。

  • 生活保護制度の運用の適正化について、お答えいたします。

    生活保護基準引き下げの経緯についてでございますが、平成16年に国の社会保障審議会の専門委員会の報告書におきまして、5年に1度の頻度で基準の見直しを行うこととされ、平成20年において基準の見直しが行われました。

    その後、平成23年に社会保障審議会に新たに設置されました生活保護基準部会の検証により、年齢、世帯人員、地域差による影響の調整、平成20年以降の物価動向の勘案及び現行基準からの見直しの影響に対する激変緩和措置の3つの考え方より、今回の生活保護基準の改正となったものと理解しております。
    分林義一福祉部長

  • 生活保護制度の運用の適正化について、保護費の引き下げについては、もともと決まっていた頻度である5年ごとの見直しが今年度であったということが理解できました。

    次に、保護費のうちで大きな割合を占める医療扶助について、お伺いしたいのですが、ジェネリック医薬品の促進は、医療扶助の適正化を図る上で、重要な課題の一つであると思います。厚生労働省は、平成25年5月に、生活保護制度の見直しについてという資料の中で、平成25年度より院外処方における後発医薬品の原則使用を打ち出しています。

    また、現に医療を受けていない生活保護受給者にとっては、今後も健康な生活が送れるよう年1回の特定健診を受診してもらうことで、さまざまな病気の早期発見、治療につながり医療扶助の適正化につながると思います。

    そこで、現在それぞれの取り組みについて、お伺いします。

  • お答えいたします。

    ジェネリック医薬品の促進につきましては、現在、啓発リーフレットの作成に向けた準備を進めておりまして、でき上がり次第、保護受給者に送付し、あわせまして医療機関等に対しましても協力を求めながら周知、啓発に取り組んでまいります。

    また、特定健診の受診につきましては、40歳以上の保護受給者のほとんどの方が本市が実施する特定健診の対象者となっておりますが、保護受給者の中には何らかの疾病を抱え既に通院、治療を受けておられる方もいる中で、平成24年度の特定健診の受診率は5.8%となっております。

    なお、医療機関に受診されていない方や健診未受診者の方々に対しまして、健康の維持、管理と医療扶助の適正化の観点から、健康管理支援員等により受診の勧奨に努めております。
    分林義一福祉部長

  • 通院、治療の方もおられるとはいえ、特定健診の受診率が5.8%は低い数値であるように思います。

    国保でも、特定健診の受診率向上に向けて取り組みが行われています。生活保護受給者においても受診率を高め、そして健康への意識を高めていくことが結果として市民全体の健康度を高めていくことにつながり、医療費の抑制になると考えます。

    次に、生活保護情報ホットラインでの情報提供の状況をお尋ねします。

    情報提供の内容やその対応について、市のホームページなどで周知するお考えがあるのかもあわせてお聞かせください。

  • お答えいたします。

    本年4月から5月までの生活保護情報ホットラインにより寄せられました情報提供の総件数は44件で、生活困窮に関する情報が4件、不正受給等に関する情報が40件となっております。その40件のうち、実際に生活保護を受給されている方の情報は31件であり、主な内容としましては、不正就労に関する情報、自動車の保有・使用に関する情報及び生活状況等に関する情報となっております。

    なお、生活保護情報ホットラインによりいただきました詳細な情報の公表につきましては、個人情報保護等の観点も踏まえ、公表の有無も含め、慎重に検討していきたいと考えております。
    分林義一福祉部長

  • 生活保護情報ホットラインについては、開始後2カ月のため、今後の推移も見ていかなければなりませんが、生活保護制度に関しては、市民の方も関心が高いと思います。個人情報の保護は当然のことですが、行政の信頼を高めていくという意味で、生活困窮であれ不正受給であれ、しっかり対応しているという姿勢を見せていくことは大事なことですので、要望しておきます。

    さて次に、さらなる自立支援の取り組みについて、お伺いします。

    平成24年度末の生活保護世帯の累計別では、高齢世帯は39.3%、病気で働けない傷病世帯の方は18.7%、障害者世帯は12.9%、母子世帯は11.1%、合計で82%となっており、残りの稼働年齢とされているその他世帯は18%で、そのうち20から49歳の被保護者数は496人となると伺っています。

    今申し上げた、その他世帯で若年層とされる方が、比較的自立への道が近いと思います。

    平成25年度より生活保護受給者等就労自立促進事業が創設されましたが、その中でワンストップ型の支援体制などの取り組みが始まりますが、市としてどのようにハローワークと連携しながらかかわっていくのでしょうか。

    また、平成24年度の就労支援の実績はどうなっているのか、あわせてお伺いします。

  • お答えいたします。

    生活保護受給者等就労自立促進事業につきましては、平成23年度よりハローワークにおいて実施されております「福祉から就労」支援事業を拡充したもので、対象者を生活保護受給者に加え、生活保護の相談、申請に来られた方にも拡大するとともに、ハローワークの巡回相談を実施するなどワンストップ型の支援を行い、より生活困窮者の早期自立を促進しようとするものでございます。

    本市では、従来から生活保護受給者を随時、ハローワークの就労支援事業に御案内しており、今後も、予約制で行われます巡回相談窓口を設置するのではなく、ハローワークが近隣にある利点を生かし、今までと同様に随時の連携を行うことで、生活保護の相談、申請に来られた方も含め、生活困窮者に対する就労支援を行ってまいりたいと考えております。

    なお、本市におけます平成24年度の就労支援の実績につきましては、就労支援プログラムへの参加者が309人で、そのうち決定者が180人、また「福祉から就労」支援事業への参加者は20人で、そのうち決定者が13人となっております。
    分林義一福祉部長

  • 現在、市とハローワークとの間で連携が行われていることはわかりました。

    自立支援にこれまで以上に力を入れていくことが必要であり、ケースワーカーの不足も言われている状況ではありますが、就労支援していく受給者にきめ細やかな対応ができるよう、体制を整えていただきたいと思います。

    今後も、より一掃連携を深め、自立につながる就労支援を行っていただきますよう要望しておきます。