待機児童解消と保育士不足について

平成26年第2回定例会(第4日) 開催日:2014.06.23

  • 平成26年度4月当初での待機児童ゼロの達成は喜ばしいことですが、5月から既に待機児童が発生しているとのことです。また、先日、池上議員の質問でも明らかになったように、きょうだい入所について、きょうだい別々の保育所に入所している状況があるとのことです。

    保護者にとって、仕事前後における別々の保育所への送迎は、大きく負担がかかるものになります。きょうだい入所は、待機児童と同様、解消に向けて取り組んでいただきたい課題だと思いますが、これらは、結局、供給の不足から生じるものです。

    その待機児童について、市では、解消のために、これまでハード面の対応を着々と進められてきましたが、一方で、ソフト面、特に保育士の状況はどうでしょうか。

    保育士は、保育だけでなく、保護者対応や保育にかかわる計画作りなど、さまざまな仕事を抱えながら働いておられます。保育士が継続して働き続けるために、特に保育士のメンタルヘルスについてケアを行う必要があると思いますが、市の見解をお聞きします。

  • 2.待機児童解消と保育士不足について、お答えいたします。

    保育士の労働環境は、多様な保育ニーズや保護者への対応等、多忙な状況にあり、保育士等職員の心の健康維持や職場環境の改善のため、メンタルヘルス対策は重要であると認識しているところでございます。

    公立保育所では、施設長や保育士へのメンタルヘルス研修を実施しており、私立保育園に対しましても、日本保育協会が開催する研修を案内しておりますが、今後も、保育士の健康面や快適な職場作りに資するよう、研修の実施や情報提供に努めてまいります。
    水野裕一子ども青少年部長

  • 次に、待機児童解消と保育士不足について。

    先ほどの質問に続き、保育士が継続して働き、また、保育士を確保するためには、現在の保育士の置かれている労働環境も影響してくると思います。

    保育士不足が課題となる中、公立保育所の保育士については、公務員として身分が保障されており、退職まで継続して働き続けられるというのに対し、私立保育園の保育士の処遇は厳しく、離職が多いと聞きますが、その対策については、どのようにお考えですか。

    また、公立及び私立保育園の保育士の確保を容易にするため、市が公立及び私立保育園等の窓口となって保育士の募集をしたりするなど、市全体として保育士の確保をしていく取り組みも必要だと思いますが、市の見解をお聞きします。

  • 本市では、私立保育園の保育士の離職防止等に向け、平成25年度から、国制度を活用した保育士等の処遇改善事業を実施しており、さらに、今年度からは、保育士の周辺業務を補助する人材を雇用するという保育体制の強化に向けての支援を実施していく予定でございます。

    また、保育士の確保につきましては、国の取り組みといたしまして、平成25年11月から、保育士マッチング強化プロジェクトが、現在、ハローワーク枚方で実施されているところでございます。この事業は、保育所のニーズを踏まえた相談や求人情報の提供、複数の保育所と求職者を結び付ける面接会を実施するなど、細やかな対応をされており、この事業を始めてから、私立保育園や求職者からの相談も増えていると聞いております。

    今後も、こうした取り組みを周知する等、ハローワークと連携を図りながら、各保育所の人材確保に努めてまいります。
    水野裕一子ども青少年部長

  • 今後増えていくことが想定される保育需要に対し、これまで以上に保育士が必要になります。そのために、保育所の現場においても、将来の保育士養成に向け、支援等の取り組みを行っていく必要があると思いますが、取り組みの状況をお聞かせください。
  • 本市では、公立保育所及び私立保育園におきまして、保育士等の養成を支援する取り組みの一環といたしまして、保育実習生の受け入れを行っております。平成25年度は、全公立保育所で、大阪国際大学短期大学部を初めとする25の大学や専門学校から、61人の学生の受け入れを実施いたしました。

    また、平成26年度は、さらに、平成24年4月に本市で開設されました摂南大学看護学部の学生の保育所での臨地実習による実務教育に協力するため、受け入れを行っていく予定であり、今後も保育士等の養成に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
    水野裕一子ども青少年部長/strong>

  • 保育実習生の受け入れを行っておられるとのことですが、保育士を目指す若い人たちを増やすために、仕事を学べる機会として、インターンシップの受け入れも効果があると思います。これは、公立保育所のみならず、私立保育園の窓口も一元的に市が取りまとめを行い、各保育所と連携していくべきです。

    今後は、学生だけでなく、保育士経験のある、再び働きたい方が実務経験をでき、また、雇用につながる仕組みなど、市でも人材確保策を行っていただきたいと要望しておきます。