文化財によるにぎわいづくりについて

令和元年12月定例月議会 開催日:2019.12.16

  • 文化財によるにぎわいづくりについてお尋ねします。
    所信表明の産業・観光の活性化の中で、地域資源のさらなる活用を目指し、地域の活性化を図るとありますが、特別史跡百済寺跡などの文化財について、地域資源のさらなる活用をどのようにお考えか、お伺いします。
  • <社会教育部長>2.文化財によるにぎわいづくりについて、お答えします。
    本市には特別史跡百済寺跡や史跡楠葉台場跡のほか多くの貴重な文化財がございます。
    これら文化財を地域資源として捉え、活用することによって賑わいを創出し、また地域の活性化にも寄与するものと考えております。
    今後、保存と活用のバランスに配慮しながら新たな取り組みの検討を行ってまいります。
  • 文化財の活用においては、啓発普及も必要なものです。
    それに関連し、(仮称)行財政改革プラン2020(案)では「文化財の啓発普及に向けたクラウドファンディング導入」が上げられています。
    これは、クラウドファンディングを活用して、特別史跡百済寺跡、楠葉台場跡などの文化財の啓発普及を図るものと聞いていますが、スケジュール設定が令和2年度から5年度までとかなりの時間が設定されていると思いますが、内容と今後の予定をお尋ねします。
  • <社会教育部長>特別史跡百済寺跡、楠葉台場跡の魅力を分りやすく広域的に情報発信するための新たな技術やアイデアを活用した事業の財源として、クラウドファンディングの活用を図ってまいります。
    今年度は、新たな技術の実用性や維持管理、効果などについて十分検討する必要があるため、事例研究を進めております。
    令和2年度には、事業計画を検討、策定し、令和5年度には特別史跡百済寺跡再整備事業の完成予定に合わせた事業を予定しています。
    広く市民からご賛同いただけるような魅力的な事業内容を構築するとともに、積極的な周知にも取り組んでまいります。
  • クラウドファンディングは、一般的に1年以内で企画から募集実行まで完結するものが多く、その視点からするとご答弁のスケジュール感では少し時間をかけ過ぎていると思います。
    前例のない取り組みであり、挑戦する姿勢は素晴らしいものですので、可能な限り前倒しの実行をお願いします。
    さて歴史遺産を有効に活用する手法の一つとして、これまで日本遺産の申請について検討を要望してきました。
    令和元年度、宮城県涌谷町を代表とする東北5市町村において日本遺産「みちのくGOLD浪漫―黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる―」が認定されています。
    日本遺産の認定は、テーマ(ストーリー)にそった文化財を「面」として活用することを重要視しており、隣接していない地域であっても、追加認定された事例があります。
    涌谷町において日本初の黄金を産出した百済王敬福は、東大寺の大仏の鋳造のために朝廷に献上し、聖武天皇を大いに喜ばせました。
    百済王氏の氏寺として建立された寺院である百済寺跡を日本遺産「みちのくGOLD浪漫」の構成文化財の一つとして追加する取り組みについて、市のお考えをお伺いします。
  • <社会教育部長>日本遺産「みちのくGOLD浪漫」の構成文化財の一つとして追加する取り組みについては、認定ストーリーに合致するのかなどの課題について研究する必要がございます。
    なお、涌谷町とは、お互いの地域の活性化を図るためにも交流を深めていく考えです。
  • 認定ストーリーに合致するかを研究するとのご答弁ですので、取り組みを要望します。
    また交流を深めていくことについても、具体的な形で進めていただきたいと思います。
    さて現在、文化財の保存と活用を担っている部署は教育委員会の文化財課ですが、保存と活用の観点からの所管業務の状況についてお聞かせください。
  • <社会教育部長>文化財の保存については、現在実施しています特別史跡百済寺跡再整備事業をはじめ、各地の埋蔵文化財発掘調査、各種文化財調査などがあります。
    活用としては、各種講座の開催や刊行物の発行など文化財啓発普及事業を行うとともに旧田中家鋳物民俗資料館及び枚方宿鍵屋資料館の関連業務を展開しています。
    このように文化財の保護は、保存と活用の両輪からなっており、市民共有の財産として後世に継承し、また魅力発信の一助となるよう取り組んでいます。
  • 文化財の保存と活用については、根本的に保存しなければならないものと、その活用を図らなければならないものとの考えの元、様々な状況で、衝突する部分が生じてくると思います。
    文化財課の現状では、平成30年度の事務事業実績測定調書を見てみますと、埋蔵文化財発掘調査事業の配置職員の総数が9.32人と、他の事業と比較して多く、保存の観点の方が大きいと思います。
    先ほどご答弁にもありましたように、今後は保存と活用のバランスが大事です。
    そこで、学術的に実施する文化財の活用業務は別として、市の観光を重視した文化財の活用をさらに効果的、効率的に推進するために、先ほどのスポーツ施策における文化・観光施策との連動と同様、教育委員会ではなく市長部局の傘下で実施する方が、より実効性があるのではないかと思いますが、市の見解をお聞きします。
  • <総合政策部長>今後の観光施策を推進する上では、文化財の活用は必要であり、観光施策と文化財を所管する部局が連携し取り組むことは、本市の賑わいの創出には重要なものと考えています。
    先ほどのスポーツをきっかけとした賑わいづくりと同様に、一体的・総合的な施策、事業の推進を図るうえで、どういった体制がより機能的か、文化財の有する教育的な側面も十分に踏まえながら、現在、検討を進めているところでございます。
  • 文化財の保存・研究の観点は重要です。
    これまで大きな役割を果たしてきていただいたと思いますが、一方で枚方市が有する歴史的資源・文化財は大きな可能性を秘めたものであり、活用に向けては組織のあり方を変えていく必要があります。
    より機能的な組織の構築を要望します。