「シビックプライドの醸成について」(2)枚方の歴史資源の活用について

平成28年6月定例議会 開催日:2016.6.22

  • 本市には、特別史跡百済寺跡をはじめ貴重な文化財が数多くあり歴史文化遺産に恵まれていますが、市民に認知されているかというと、必ずしも十分ではありません。
     
    シビックプライド、すなわち枚方に対する市民の誇りを醸成するために、これら歴史資源を活用していくことについてどのようにお考えですか。
  • 枚方らしさというものは、枚方に生きた人々が歴史的に育んできた文化的・社会的活動の積み重ねによって醸成されたもので、有形・無形の歴史文化遺産となって、受け継がれてきました。従いまして歴史文化遺産は、枚方のアイデンティティの創出に大きな役割を果たすとともに、これらを市民に周知することにより、シビックプライドの醸成につながるものと考えております。
  • 次に、国では日本遺産の認定事業に取り組んでいます。これは、地域の歴史的魅力や特色を通じて我国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」として認定し、有形・無形の様々な文化財を総合的に活用する取り組みを支援するものです。
     
    単一の市町村内でストーリーが完結するものを地域型、複数の市町村にまたがってストーリーが展開されるものをシリアル型として、ブランド力を保つために一定程度に限定しつつ、2020年までに全国で100件程度を認定していく構想です。
     
    大阪府内ではまだ認定されたものはないと聞いています。7月2日、枚方市内の団体が「交野ヶ原フェスタ」と題し、日本遺産プロジェクトに関するセレモニーを行うそうです。
     
    市民との協働によりこのような活動を進めることは、シビックプライドの醸成につながると考えますが、どのように考えているのかお尋ねします。
  • 日本遺産の申請者は地方公共団体ですが、単独の市町村で申請できるのは、地域的な広がりと歴史的な厚みを備えた有形・無形の文化財のまとまりを周辺環境も含めて街全体で保護・整備しようとする歴史文化基本構想もしくは歴史的風致維持向上計画を策定済の市町村、または世界遺産もしくはその候補案件を有する市町村などに限られるため、本市単独での申請はできません。
     
    また、日本遺産は複数の市町村の連名でも申請できますが、いずれにせよストーリーを構成する文化財のうち、国指定文化財を必ず一つは含める必要があるなど申請要件や審査基準が定められております。このように日本遺産の認定申請にはクリアすべき要件など課題も多いことから、今後、条件整備などについて研究してまいりたいと考えております。
  • 市民との協働により歴史資源を活用し後世に伝えていくことは、シビックプライドの醸成につながります。日本遺産もその手法の一つです。
     
    ハードルは高いものですが、大阪府としても日本遺産登録を推進する動きありと聞いているところです。これまでの認定されたものでは、県や地方をまたがって、認定されたものもあり、柔軟に考えていくべきです。
     
    枚方市の豊かな歴史資源を有効に活用するために、様々な組み合わせ・手法を検討し、前へ進めていただくよう要望します。