中核市での教育の取り組みについて

平成26年第4回定例会(第3日) 開催日:2014.12.12

  • (2)教育人事権について。
     
    教職員の人事とは、採用、研修、異動の3つの柱から成り立っていると私は考えます。3月議会で質問しましたが、教育委員会は中核市になることの教育面での効果として、大阪府が行っている教職員研修を枚方市が行えることになり、本市の教育課題に対応した研修を行えることなどを答弁されていました。
     
    中核市になり8カ月がたち、実際に研修に取り組んでおられる中で、これまで府教育委員会が実施していた研修と比べてどのように変わったのか、そして、どのような課題が見えてきたのか、お聞かせください。また、教育文化都市ひらかたを掲げる中で、今後の教職員研修の取り組みについて、お聞かせください。
  • 今年度の教職員研修は、学び続ける教職員を育成し、枚方の子どもたちの生きる力を育むことを目標に、新規採用から5年間の育成プログラム、管理職研修の充実、児童、生徒の国語力の向上の3点を重点項目として実施しております。
     
    中核市移行に伴い、今年度から本市で実施することになりました初任者研修では、少人数編成での研修を初め、模擬授業や実技研修、演習等も取り入れた、より実践的な研修に加え、本市の文化財や公共施設を活用した研修を取り入れるなど、本市で実施できる利点を生かしたプログラムが可能となりました。
     
    また、本市の指導主事が初任者に対して直接指導できる機会が増えたことから、一人一人の状況もより把握でき、初任者へのきめ細かな指導ができるようになりました。
     
    一方、課題といたしましては、市教育委員会での研修とあわせて、校内での日常的な研修との関連付けを図り、より効果的な研修体制を作ることが必要であると考えております。
     
    次に、教育文化都市ひらかたを掲げる中での教職員研修の取り組みですが、今年7月に実施しました枚方市教育フォーラムを来年度も引き続き開催するなど、本市が取り組んでいる教育を広く市民に情報発信するとともに、本市の教育課題に対応した研修の一層の充実に努め、教職員の資質と指導力の向上を図ってまいります。

    石田義明教育委員会事務局学校教育部長

  • 研修について、どのように取り組んでおられるのかはわかりました。国語力は各教科の基礎となるものですから、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
     
    課題として日常研修との関連が挙げられていましたが、市の中でやっていることですし、連携を強化してください。
     
    そして、教育フォーラムについてです。
     
    私もことし参加しましたが、発信なのか、研修なのかがわからず、正直、だれをメーンの対象としたものか、目的がわかりにくいものとなっていました。この点は、検証が必要と考えます。
     
    では、教職員人事のあとの2本の柱について、お尋ねします。
     
    私は、枚方市の課題を主体的にとらえ、戦略的な取り組みを進めていくには、研修だけでなく、採用、異動にかかわる人事権についても大阪府から移譲を受け、枚方市が求める人材や、ぜひ枚方市で働きたいと考える意欲的な人材を採用していくべきだと考えます。
     
    府内では、既に大阪府から人事権を移譲されている市町村があると聞いていますし、国においては、教職員人事権について、中核市に移譲すべきとの論議があるとも聞いています。大阪府と国の動きについて、お聞かせください。
  • 政令指定都市を除く市町村立学校の教職員の採用、任命や異動などを行う人事権は、法令により都道府県にありますが、大阪府においては、平成23年6月に条例を整えるなど、条件の整備を進め、希望する地区に人事権を移譲できるようになりました。
     
    これを受けて、平成24年4月から、豊能地区の3市2町が大阪府から教職員の人事権の移譲を受け、豊能地区教職員人事協議会を設立して、独自に教職員の採用や任免などの人事を行っています。
     
    現時点で、大阪府は、こうした市町村への人事権移譲には一定の規模が必要であるとして、市町村単位ではなく、地区ブロック単位での申し出があった場合にのみ、これを検討するとしています。
     
    また、国においては、現在、平成25年3月の閣議決定や、4月の教育再生実行会議の提言を受けて、広域での人事調整の仕組みを構築する等の条件を整えた上で、中核市に対して人事権を移譲するという方向での議論が行われているところです。

    石田義明教育委員会事務局学校教育部長

  • 人事権移譲については、一定理解いたしました。
     
    さて、地域でボランティアをしている大学生数名と話をしていますと、教員を目指して勉強しており、将来はこの枚方市で先生をしたいと考えているとのことでした。
     
    どこのまちでもいいから先生にというのではなく、枚方で、枚方の子どもたちに教えたいと考える人はほかにもいるのではないかと思いますし、そうした学生を採用していくことで、枚方の教育がもっと充実していくのではないかとも思うのですが、枚方市が人事権の移譲を受けるに当たって課題となることは何なのか、もう少し具体的にお聞かせください。
  • 枚方市が人事権の移譲を受けるに当たっては、人材確保を含む諸条件を満たすことができる適正な規模を確保できるか、また、特色ある戦略的な取り組みを進めていくために十分な給与財源もあわせて移譲されるか等が課題であると考えます。
     
    さらに、市単独での人事権移譲を受けた場合には、異動は最大の研修であると位置付けて積極的に取り組んできました、北河内地区ブロックや府内の他市町村との広域の人事異動・交流がかなり制限されることも課題と考えております。
     
    人事権の移譲の検討に当たっては、こうした課題も踏まえ、枚方市の子どもたちの教育の充実という観点に立った見極めが必要であると考えています。

    石田義明教育委員会事務局学校教育部長

  • 教職員人事について、教育の充実という観点で見極めていこうとされていることは理解しました。しかし、教育文化都市を枚方の都市ブランドとして掲げ、魅力あるまちづくりを進めていくというなら、教職員の人事についても、積極的に移譲を受けて、責任を持って行うべきだと私は思います。
     
    枚方市の学校の先生なのに、大阪府が採用し、大阪府が配置を決めているという、市民にとってわかりにくい仕組みから、中核市である枚方市の先生は、枚方市が責任を持って募集、採用し、育てるという形に改める方が、わかりやすく、理解を得られると考えます。
     
    今後、さまざまな課題についてもしっかり検討して、克服していただきたいと思いますし、例えば、地区ブロック単位での人事権の移譲についても、北河内唯一の中核都市として、リーダーシップを発揮して地区7市をまとめ上げるぐらいの姿勢で、積極的に取り組んでいただきたいと思います。