親学の推進について

平成23年第4回定例会(第2日) 開催日:2011.12.14

  • 次に、親学の推進について。

    私は、本来、教育というものは、学校だけで行われるものではなく、家庭、地域、学校の3者がしっかりと連携して行われるべきものだと考えております。

    今、世の中では、親としてどのように子育てをすることが望ましいかという観点から、親学と言われるものが少しずつ展開されてきています。しかし、まだまだ動きが顕著に出ていない現在、行政の責任として呼び水的に親学をきちんと位置付け、家庭教育を支援していく必要性があると考えています。

    平成18年12月に改正された教育基本法の第10条第2項では、「国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない」と明記されています。従来は、こういったことは社会教育の範疇であったように思いますが、教育基本法に家庭教育が規定されたことにより、今後は社会教育だけでなく、学校教育も交え、さまざまな部署とも連携を図りながら、市全体の中で家庭教育、親学を進めていく必要があろうかと思います。

    市として、家庭教育を支援するために、教育基本法第10条第2項の文言に沿って、どのようなことをしているのか、それによって家庭教育の向上が図られているのか、成果が上がっているとするならば、具体的なものをお示しください。

  • 4.親学の推進について、お答えいたします。

    親学の取り組みにつきましては、家庭教育推進事業として、親学習講座、親を考えるセミナー、思春期セミナー、枚方市PTA協議会との共催による教育講演会などを行っております。

    また、保護者は子どもに基本的生活習慣を身に付けさせることが大切であることから、教育委員会といたしましては、文部科学省が作成しております早寝、早起き、朝御飯の啓発リーフレットなどを活用して、枚方市PTA協議会の協力などにより啓発に努めております。

    家庭教育推進事業の参加者からは、ほかの人も自分と同じように悩んでいたことがわかりほっとした。講師が身近なテーマで話をしてくれて、違う解決方法が見付かったなどの感想が寄せられており、一定の成果はあるものと認識しております。
    岸 弘克教育委員会事務局社会教育部長

  • 続きまして、親学の推進について、2回目の質問を行います。

    埼玉県や千葉県では、県を挙げて親学に取り組むということで、独自の取り組みを進めておられます。本市でも、当面できる具体的なものとして、市内の小・中学校の保護者会や授業参観、研修会の機会、あわせて保護者との話し合いの場で、具体的な資料を提供しつつ家庭教育についての現状を確認、共有していくこと、子どもの教育についての共通の思いを高めていくことだと考えますが、いかがでしょうか。

  • 本市の小・中学校では、子どもたちが基本的な生活習慣や社会性、家庭での学習習慣を身に付けるよう、保護者会や懇談を初め、学校だより、学校ホームページ等、あらゆる機会を通して保護者への協力を求め、学校と家庭、地域が連携した取り組みを進めております。また、担任との懇談会では、家庭教育の在り方や子育てについて、保護者同士が交流する場を設け、家庭の教育力の向上を図っております。

    11月には、親としての学習、親になるための学習を充実させるため、枚方市立小・中学校教頭を対象に、ワークショップ形式の研修を行いました。受講した教頭からは、改めて家族の役割やつながりについて指導することの重要さを実感するとともに、PTAの研修としても紹介したいという感想もありました。

    さらに中学校の技術・家庭科では、生徒が幼児とふれあう体験を通して、将来の親として必要なことを学習しております。

    今後とも子どもたちの健やかな成長に向けて、保護者、地域と連携した取り組みを進めてまいります。
    奈良昌幸教育委員会事務局学校教育部長

  • 親が計画的かつ継続的に学習をすることで、自分の教育観や親としての在り方を確立し、自分の家庭にふさわしい家庭教育を創造していくことができると思います。既存の家庭教育支援事業をさらに進め、親の学びの充実を図るとともに、各施設などでの講座開催を視野に入れながら、検討いただきたいと思います。

    今後は、一つの部署でとどまることなく、さまざまな部署が連携を図りながら、市全体の中で家庭教育、親学を進めていく必要があるかと思います。また、現状として、市の行う啓発事業や研修には、そういったことに対する関心の高い市民が参加しがちですが、今後は、むしろ親としての学習、親になるための学習についての関心がそれほど高くない方々に、より積極的にアプローチしていく必要があると考えます。

    親学の取り組みをより一層進めていただくよう要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。