東日本大震災により生じた災害廃棄物の受け入れについて

平成23年第4回定例会(第2日) 開催日:2011.12.14

  • 次に、東日本大震災により生じた災害廃棄物の受け入れについて。

    今、東日本大震災により生じた災害廃棄物の受け入れについて、全国的にも大きな注目を集めています。私は、東日本大震災で生じた災害廃棄物を広域処理することによる全国への放射能汚染の拡散という意味で、大変危惧しています。今回は、この災害廃棄物の受け入れについて、枚方市の状況と考え方について、お伺いします。

    3月11日の東日本大震災により発生した災害廃棄物の広域処理の受け入れ調査について、4月の段階では、全国の約570の市町村等が受け入れの回答をしていますが、その後、放射能汚染の問題が発生し、10月に行われた再調査では、10月末現在で、既に処理している6市町村を含め、受け入れまたは検討をしている自治体は54市町村等に激減していると聞いています。

    一方、環境省は、災害廃棄物の広域処理を推進するため、東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドラインを作成するとともに、東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の推進に関するビデオや資料を作成し、各自治体に協力を求めており、東京都は11月から災害廃棄物の受け入れ処理を開始しています。また、大阪府では、現在、災害廃棄物の受け入れに関する処理指針の検討を行っていると聞いています。

    このような中で、枚方市は、10月の環境省からの受け入れ検討状況調査に対する回答についてはホームページなどで公表されているところですが、その後、このような現状を踏まえ、現在はどのような検討をされているのか、お伺いします。

  • 東日本大震災により生じた災害廃棄物の受け入れについて、お答えいたします。

    現在、環境省が広域処理の対象といたしておりますのは、岩手県と宮城県の災害廃棄物でございます。この災害廃棄物については、10月に行われました環境省の受け入れ検討再調査に対しまして、大阪府を通じて、「枚方市としては、東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理に対する協力は必要であると考える。一方、枚方市はこれまでから、市民にとって安全・安心なごみ処理を基本としており、災害廃棄物の受け入れにあたっては、その輸送から処分に至るすべての過程において放射能汚染等も含め、環境や市民の健康に影響のないことを充分に見極めたうえで、慎重に対処したい。なお大阪府は現在、「大阪府災害廃棄物の処理指針に係る検討会議」において災害廃棄物を受け入れる際の指針を検討中であり、その結論も踏まえたうえで、最終的な判断を行う。」と回答をしております。

    現在、大阪府の災害廃棄物処理指針に係る検討会議が継続中であり、枚方市としても、この検討状況を見守っているところでございます。
    岩田勝成環境事業部長

  • 次の質問に移らせていただきます。

    東日本大震災により生じた災害廃棄物の受け入れについて、2回目の質問をさせていただきます。

    現在のところ、枚方市としては、大阪府の検討状況を見守っており、災害廃棄物の受け入れに関しては何も決まっていないということと理解いたしました。

    しかし、このことについては、初めに申しましたとおり、全国的に注目されており、市民の皆さんも御心配されていると思いますが、災害廃棄物の受け入れに関して、現時点で枚方市や大阪府にどれぐらいの意見が寄せられているか、伺います。また、寄せられているのはどのような意見なのか、あわせてお伺いします。

  • 東日本大震災により生じた災害廃棄物の受け入れについて、2回目の御質問にお答えします。

    12月6日現在で枚方市に寄せられた意見や要望の件数は35件(後刻訂正発言あり)で、そのうち枚方市民からいただいた件数は35件、枚方市以外やほかの都道府県からいただいた件数は290件でございます。また、大阪府には、11月末現在、1万973件の意見や要望が寄せられているとのことでございます。

    本市にいただいた意見のすべてが災害廃棄物の受け入れによる放射能等の汚染の拡散を心配されているもので、その中で、受け入れ自体に反対であるものや、要望として受け入れに当たっては市民の安全を基準に考えることや、市民に黙って処理をすることがないよう求められておるものでございます。
    岩田勝成環境事業部長

  • 今の答弁によると、市民や府民は災害廃棄物の受け入れに対して大変心配されておられることがよくわかりました。

    今後、枚方市として広域処理に協力し、受け入れに当たっての最終的な判断の検討を行うときは、市長が9月議会において「災害廃棄物の受け入れに当たりましては、市民に黙って受け入れるということはございません」と答弁されたことや、環境省への受け入れ検討調査に対する回答の中で「環境や市民の健康に影響のないことを充分に見極めたうえで、慎重に対処したい」と回答されたことをしっかり守っていただくことを確認させていただきたいと思います。御答弁をお願いします。

  • 先ほど2回目の御質問で、「12月6日現在で枚方市に寄せられた意見や要望の件数は35件」と申しましたが、「件数は325件」と訂正させていただきますので、よろしくお願いいたします。

    それでは、東日本大震災により生じた災害廃棄物の受け入れについて、3回目の御質問にお答えいたします。

    枚方市といたしましては、被災地の状況を見るとき、早期の復旧、復興のためには災害廃棄物の広域処理は必要であると考えております。しかし、枚方市は、これまでから市民にとって安全、安心なごみ処理を基本としており、大阪府を通じて環境省に回答したとおり、大阪府の検討状況も踏まえ、環境や市民の健康に影響のないことを十分に見極めた上で、慎重に対処してまいります。

    また、災害廃棄物の受け入れに当たっては、市民の皆さんに黙って受け入れることはありません。
    岩田勝成環境事業部長

  • ただいま御答弁をいただきましたように、今後、状況が進み、枚方市として検討する場合は、市民に黙って受け入れを進めることなく、安全、安心をしっかり確認いただき、議会への報告や市民への意見聴取など、市民にオープンな形で進めていただくよう要望いたします。