美術館及び総合文化施設の整備について

平成28年1月全員協議会:開催日 2016.1.20 2016.1.21

これまでに3名の方が質疑され、重複する質問もありますが、私なりの観点から数点お聞きします。

今回の全員協議会については、タイトルの通り、両方の進捗状況に対しての報告と捉え、美術館のことと今回の報告にあった総合文化施設の状況についてもお聞きします。


  • まず、これまでの議論の経過と今回の全員協議会の位置づけについてお伺いします。

    なぜ、全員協議会を行うのでしょうか。議会で議決されていることについてはどうお考えでしょうか。

    これまでの議会答弁では、多くの人が賛成していて反対の人は一部の人、ということでしたが、それについて問題はないのでしょうか。今回の②の提案“現金寄附を受け、市が総合文化施設用地内に美術館を整備”これが結論なのでしょうか。

  • 美術館については、これまで議会の議決をいただいたことから、全議員に対し、進捗状況について説明を行い、ご意見を伺う必要があるものと判断し、全員協議会を開催いただきました。市議会における負担付寄附の収受及び美術館条例の2つの議決は重く受け止めております。

    提案を含め、本日、報告した内容は、あくまで話し合いの途中経過で、今後の方向性が定まった後、地元住民や市民の方に説明する機会を設け、美術館整備について丁寧な説明を行う予定です。

    地域振興部長

  • 途中経過ということで、2が結論ではないと受け止めておきます。

    次に、市長選挙での公約では美術館については“ゼロベースで見直し”とのことでした。大阪・京都・奈良に美術館が点在する中で、場所が変わっても、枚方市に美術館が必要なのでしょうか。

    提案の③ “現金寄附を受け、寄付者の名前を関した基金を設置”もしくは、美術館の寄附を受けないという選択肢は現時点では残っているのでしょうか。

  • 美術館は、教育の充実の観点からも大切な施設であり、世代を超えた市民同士の交流や住みたいまちとしての魅力を高め、まちの活性化につながることのできる施設と考えております。

    ただし、今回の美術館整備については、あくまでも寄附を受けることを前提に進めているものであり、寄付行為が無くなった場合、市単費でもって美術館の整備を進めることは、財政状況を鑑みると困難であると考えています。

    市長

  • 美術館は寄附を前提としており、ご答弁から、寄附がない場合、単体では整備しないということを確認しました。

    それでは今回、美術館を総合文化施設用地内に整備する方針となった経緯についてお伺いします。

    全員協議会資料2ページの(2)寄附者との協議の経過によると、12月1日の時点で寄附者から市提案に対する回答が行われていたのに、なぜ今の時期に全員協議会を行うのでしょうか。美術館を建てる場所を変更しての提案にも違和感・唐突感を感じますが、12月1日の寄付者の回答から今回の全員協議会に至るまでの経過はどうなっているのでしょうか。

    資料3ページの寄付者に対する3つの提案内容についてはどういう出し方をしたのでしょうか。

    また、寄付者から市に対する要望・条件について市の見解をお伺いします。

  • 今回の美術館整備は寄附を前提としており、この間の話し合いの中で、寄附者から新たな案を示して欲しいという申出をいただいたことから、3つの提案を行い、寄附者の意向を確認させていただいたものです。

    寄附者は、先の目処が立たないのは困る、早期に美術館の建物を寄附したいと熱望されていることから総合文化施設用地内での整備に要望・条件付ながら関心を示されました。この間、12月1日にいただいた寄附者の回答について、市においても内容を確認し、総合文化施設での整備の可能性について検討を行っていたところです。

    なお、寄附者の要望・条件につきましては、議会のご意見を踏まえ、引き続き協議し、改めて条件・要望の取り扱いについて報告させていただきたいと考えています。

    地域振興部長

  • それでは、資料3ページ(3)提案内容の中段、寄付者から市に対する要望・条件の内容についてお伺いします。

    「茶室の設置」については、負担付収受の議決の検討の際にも市からは示されていなかったのではないでしょうか。その後、議決後に突如協議会資料の中に記述があり、議会でも様々な議論があり、最終的に茶室の案はなくなったものと認識しています。なぜ、今の段階でこの説明の中に入っているのでしょうか。

    また、「設計監修への関与」という条件は、どこまで寄附者が設計に関与するお考えなのでしょうか。

  • 茶室の設置や設計監修への関与も含め、寄附者からいただいた条件・要望については、検討や実現が可能であると思われる内容と困難と思われる内容があり、現時点で整理はできておりません。引き続き、市議会のご意見を踏まえ、寄附者と協議を進めてまいります。

    地域振興部長

  • 今回、示されている要望・条件は“主なもの”とのことですが、この要望・条件の項目について違和感を覚えるものもあります。

    また、これまでの美術館の収受の議論の中で、後からどんどん条件が増えていくような事象も見られていましたが、これ以外にも示された要望・条件はなかったのでしょうか?例えばですが、美術館の名称に寄附者の名前を付けてほしいというような要望がなかったのか、お伺いします。

  • 12月1日に回答いただいた寄附者からの要望・条件の主なものについては、案件資料の内容となりますが、その中で、美術館の名称についての要望はございませんでした。

    地域振興部長

  • 再度確認します。今回、示されている要望・条件は“主なもの”とのことですが、この要望・条件の項美術館の名称だけじゃなくて、“主なもの”が他になかったかどうか、そのことをお聞かせください。
  • 茶室に名前をということがありました。

    地域振興部長

  • 条件・要望についてはこれから個別に判断していくということですので、今回は具体的には申し上げませんが、現実性などをしっかり検証いただきたいと要望します。

    次に、資料3ページの(4)今後についてでは、「市では寄附者と引き続き条件・要望等を含めた協議を行い、協議が整いましたら指定寄附により総合文化施設用地内に独立性の高い美術館を、市が一体整備を行う方向で調整・検討を進めます。」とありますが、これはもう決定事項として整理を行うということでしょうか。

  • 寄附者からの要望・条件につきましては、現在協議中であり、現時点で整理はできておりませんが、今回、話し合いの進捗としてご報告させていただき、市議会のご意見を踏まえ、引き続き協議を進めてまいります。

    地域振興部長

  • 次に、(3)提案内容の後半部分で、郊外型ではなく、中心市街地型を想定する旨の記述がありました。もともと、負担付収受の議決の段階では、美術館のコンセプトとして郊外型を謳っていましたが、総合文化施設敷地内への整備となるとコンセプトが変わっていますが、いったい市の美術館の位置づけはどうなっているのか、お伺いします。
  • 総合文化施設用地内で美術館を整備する場合は、中心市街地型の美術館との位置づけになり、当初のコンセプトとしていた緑の多い閑静な環境の中での美術鑑賞とは趣が異なりますが、市駅前の立地となることから交通アクセスの利便性が向上し、枚方市内だけでなく近隣の市町村からも、より集客が見込まれます。

    地域振興部長

  • 次に、資料3ページ(3)提案内容では、総合文化施設との一体整備により、効率的な維持管理や連携が期待できるとのことですが、整備費用は変わっていないように見えますが、どういった部分が効率的となっているのか具体的に年間の維持管理運営費はどのようになるのかをお伺いします。

    美術館は独立施設とのことですが、一体にすることでさらにコスト縮減を図れないものでしょうか。

  • 仮に美術館を総合文化施設と一体的に整備し、管理運営を行うことになった場合、人件費について、事務的な業務などで職員が共用できる部分が見込めることができ、また、管理費について、設備等を総合文化施設と共用できるほか、清掃や警備、防災設備や空調設備などの各種保守点検について、スケールメリットの観点から費用の削減が見込まれます。

    地域振興部長

  • 共用・スケールメリットと、さまざまご答弁をいただいていますが、具体的な試算・金額が示されなかったことは残念ですし、言葉が躍っているように感じられます。そして、同じ敷地内であれば、一体にするということが検討されなかったのかと疑問に感じます。

    それでは、総合文化施設の敷地面積はもともとの計画でも準工の60%の建ぺい率でぎりぎりでしたが、美術館を整備することで具体的にどうなるのかお伺いします。

  • 建ぺい率の制限に関しては、今後の協議等にもよりますが現時点で想定する美術館の内容であれば、建築は可能であると考えています。

    地域振興部長

  • 資料3ページの3総合文化施設の(1)整備内容の一部見直しについて、付帯民間施設に変わる施設として、という表現がありましたが、付帯民間施設・喫茶スペースがなくなったということなのでしょうか。なくなったということであれば、その分の付帯民間施設の整備費用が削減されるとも考えられますが、お伺いします。
  • 付帯民間施設については、賑わいに繋がる施設として検討してきましたが、その施設には、カフェの設置も想定しておりました。美術館を整備することとなった場合には、施設内にカフェの設置も検討できるものと考えています。また、美術館は付帯民間施設に代わる施設と位置づけることを踏まえ、寄付者からの指定寄附金と市が付帯民間施設で見込んでいた整備費の範囲内で整備する考えです。
  • 本来、このことでコスト縮減がはかられてもいいはずですが、寄付金だけでの整備ではなくて、付帯民間施設の整備費も入れているのは、メリットを感じませんし、縮減どころか税金を入れてということになっているわけで、残念であり、違和感を覚えるところです。

    次に、資料4ページの(1)整備内容の一部見直しについてお伺いします。補助制度の拡充とは具体的に何を指すのでしょうか。また、寄附目標額1億円は妥当なのでしょうか。3万人もの署名もあったことですし、署名を集めていた方等からもっと集める努力をするべきではないでしょうか。

    また、現物寄附の具体的想定と呼びかけの手法についてはどのようにお考えでしょうか。

  • 国の補助制度の新たな事業として平成26年に創設された「都市再構築戦略事業」に位置づけることで申請限度額の補助率が上がったことなどから、補助申請限度額の枠が広がったものです。

    次に、寄附目標額につきましては、近隣自治体のホール整備事例で、6年半で約1800万円の寄附があったことを確認しています。こうした例を参考に、市民だけでなく事業所も含めて積極的に呼びかけることで、目標金額として1億円を設定したもので、可能な限り多くの寄附を集められるよう努めてまいります。

    また、現物寄附については、グランドピアノなどの大型の楽器を想定しており、現金での寄附と同様、広く呼びかけて行きたいと考えています。

    地域振興部長

  • 寄附の金額は妥当なのかどうか。130億のものですから、もっと目標設定を高めていただきたいと思います。

    資料5ページの4(2)メセナひらかた会館との一体管理運営についてお伺いします。総合文化施設のアネックスとしての整備の方向性は一定理解できるものですが、詳細な情報がありません。条例を変えるなど、名称変更や施設の内容も変えていくのでしょうか。

  • 指定管理者を一本化にすることにより、人員体制に柔軟性が生まれ、また、警備や清掃などもスケールメリットを活かし、一括して行うことも可能となります。

    また、メセナの会議室や多目的ホールを活用することで効率的、効果的な運営ができるものと考えております。

    なお、大きな方向性について今回お示ししましたが、メセナひらかたの名称や設置条例の取り扱いなど詳細につきましては、今後、検討してまいります。

    地域振興部長

  • 今回の全員協議会でも14人の議員が質疑されるところですが、今回の美術館においては議会としても議決をしたことは事実であります。一方で、市民の中でも様々な意見がありました。市として単費で建てることない、ということで話を進めてきましたし、先ほども答弁があったところです。

    初期費用はかからないにしても、市として維持管理費がかかるわけですから、「もらうから、やる」ではなくて、枚方市にとって本当に美術館の整備が必要なのか、再度検討し、市民の意見を聞いていくべきです。こういったことも含め、提案3の現金寄附を受け基金にすることや、その話が成立しない場合には辞退も含めて検討し、解決に向けて進めていっていただきたいと要望します。

    以上で質疑を終わります。