キャリア教育と採用支援について

平成28年12月定例月議会 開催日:2016.12.13

  • 先月、内閣府より発表されました、月例経済報告によりますと、「景気は、このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。」との報告があり、雇用情勢についても改善されているとのことです。
     
    では、ハローワーク枚方管内におけるここ10年間の有効求人倍率の状況についてお尋ねします。
  • 枚方・交野・寝屋川市域を管轄するハローワーク枚方管内では、平成28年10月は、0.76倍となっており、過去10年で最低であった平成21年度の0.26倍に比べ、約3倍の数値となっております。
  • キャリア教育と採用支援について2回目の質問です。大阪府全体の有効求人倍率も、平成28年7月には、昭和49年9月以来、41年10か月ぶりに1.4倍台になったとのことであり、本市も含め、大阪府全体で雇用環境は改善しています。
     
    このように、いわゆる売り手市場といわれるなか、特に若者の大手企業志向は強く、中小企業における人材不足が懸念される状況であると思います。
     
    このような状況の中、本市では、新たに「市内企業若者雇用推進事業」に取り組んでいるとお聞きしていますが、この事業の概要と取り組み状況についてお尋ねします。
     

  • 「市内企業若者雇用推進事業」は、市内中小企業の若年人材確保及び安定雇用を目的に、若者を採用したい市内中小企業と就職を希望する若者の双方に、求職前段階から就職、さらに就職後の定着までを一貫して支援する施策です。
     
    取り組み状況については、9月に市内中小企業に対して若年人材採用支援セミナーを開催するとともに、合同企業面接会の参加企業のPRビデオの制作を進めております。
     
    また、来年1月に若者求職者に対して就職応援セミナーや、市内中小企業30社が参加する合同企業面接会「若者しごとマッチングフェスタ」の開催いたします。
  • 「市内企業若者雇用推進事業」は、市内中小企業のニーズや現在の雇用状況などを見据え、状況に対応した取り組みの一つであると思います。
     
    平成26年に報告された「枚方市人口推計調査」によりますと、65歳以上の比率は、平成25年では、23%ですが、10年後の平成35年には、28.6%、20年後の平成45年には30.9%と3割を超える一方、0歳から14歳の比率は、少子化傾向により、平成25年では、14.0%であるのに対し、20年後の平成45年には、10.8%となるとの予測が出ております。
     
    このように、急速な少子高齢化とそれに伴う人口減少が進展している中、中長期的な視点で市内企業への就職につなげるような取り組みが必要ではないでしょうか。そのためには、小・中学生の義務教育の子どもなど、これからの本市の未来を担う子どもたちへのキャリア教育が非常に重要になってくると思います。
     
    それでは、現在、小・中学校では、どの様なキャリア教育を行っているのかお尋ねします。
  • キャリア教育は、児童・生徒が自己有用感や、自らの生き方についての夢や希望を育むことができる取組であり、そのため小中学校では、中学校区において作成したキャリア教育の全体指導計画に基づき9年間の教育活動全体を通じて系統的・継続的な指導及びその検証・改善に努めているところです。
     
    キャリア教育における職業観の育成につきましては、小学校では校区巡りや市内企業・事業所見学により、生活に関わる仕事について知り、社会とのつながりを意識させたり、中学校では市内の企業・事業所等による職業講話や職業体験学習を行うことにより、児童・生徒が働くことの意味を理解するように取り組んでおります。
     
    今後キャリア教育を推進することにより、児童・生徒が自己の可能性を伸ばし、自らの人生や新しい社会を切り拓くために必要な能力の育成に努めてまいります。

    児童生徒支援室

  • 子どもたちが自らの道を拓いていける力を養うことはとても大切なことです。
     
    また、子どもたちが枚方市内の企業に興味をもち、将来、市内の企業で働くようになればすばらしいと思います。そのためには、各中学校区ごとに行われている職業観の育成の取り組みについて、児童生徒支援室が集約し、水平展開を図る。
     
    また、商工振興課がリストを取りまとめ、商工振興課と教育委員会が連携しての市内事業者の講話の実施、またICT機器を活用した全中学生対象への動画の中継配信などできることはあるはずです。
     
    なおキャリア教育においては、自分自身の理解を深める自己理解とともに、社会にある様々な職業を知ることが、直接的にその仕事と結びつかない場合であっても、職業観の育成に有用と考えられることから、よほど公序良俗に反しないものでない限り、パブリックなものについては特に、講話など積極的に行っていくべきと思います。
     
    また、体験学習において勤労観や職業観の育成を図っていくことも重要ですが、「一人ひとりのキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な能力や態度を育てる」というキャリア教育の定義からすると、能力や態度の育成がさらに重要だと考えます。
     
    コミュニケーション・スキルをはじめとして、課題解決能力や自己理解・自己管理能力など、社会的・職業的に自立するために必要な能力の育成についても取り組みを進めていただくようお願いします。
     
    何より大事なことは、「何をするか」より、「なぜ学ぶのか」「なぜするか」「なぜ必要なのか」の部分だと思っています。手段よりも、まず目的を考えさせる取り組み・能動的主体的に学ぶ動機づけが必要です。今後も関係部局が連携して、子どもたちに働くことの喜びや楽しさを伝える教育を行っていただけるよう要望します。