医療費助成と予防医療について

平成27年9月定例月議会(第10日) 開催日:2015.12.16

  • 本年12月より子ども医療費助成は中学3年生まで拡大され、また、今後も拡大の検討が予定されていると思われます。しかしながら、本来、子どもの健康とは、医療費助成によって守られるのではなく、予防によって維持されるべきで、医療費助成は、病気等を罹患したときに速やかに受診し、重症化を防ぐものと私は考えています。

    まず、今回、医療費助成が拡大された年齢では、どのような疾病が受診の多くを占めるのか、お伺いいたします。

  • 子どもの医療機関受診傾向につきましては、本市の国民健康保険の5歳刻みの統計データがございます。これによりますと、0歳から14歳までは、共通して呼吸器系の疾患が第1位となっております。2位については、年齢区分ごとに変化が生じておりまして、0歳から4歳までは皮膚等の疾患、5歳から9歳までは感染症、10歳から14歳までは目の疾患となっております。
    人見泰生健康部長
  • 私は、健康の保持、増進には、予防接種と健康診断、こういった予防医療の徹底が必要と考えています。現行の予防接種と学校園における健康診断の取り組みについて、お尋ねいたします。
  • 子どもの感染症に対する重症化予防と蔓延防止のために、生後2カ月から高校1年生までの期間に、結核やはしか等、12種類の病気に対応した予防接種を実施しております。

    予防接種の効果は大きく、一例といたしましては、平成20年に全国で年間1万1,000人を超えていたはしかの患者が、重点的な取り組みを進めたことによりまして、平成27年3月には、日本では排除状態にあるとWHOから認定されるほど、激減しております。

    子どもの健康を守るため、引き続き予防接種事業に積極的に取り組んでまいります。
    人見泰生健康部長

  • 続きまして、学校園におけます健康診断の取り組みについて、お答えいたします。

    学校園におきましては、学校保健安全法に基づき、毎年、児童、生徒の定期健康診断を実施しており、健康状態の把握と疾病のスクリーニングを行うとともに、診断結果に基づき、疾病の予防や治療の指示等の措置を行っているところでございます。
    若田 透教育委員会事務局学校教育部長

  • 私は、誰もが健やかに暮らせる健康、医療の取り組みを進めるに当たっては、医療費助成の拡充だけでなく、子どものときから予防医療を徹底させ、健康の保持、増進を図っていくことが重要だと考えています。健康の取り組みに対し、対処型から予防型へと発想を転換させていく必要があります。捻挫やけがの予防には体操が有効ですし、歯磨きにより口腔環境を整えることは感染症の予防にもなります。他市でも、歯磨きを徹底させることでインフルエンザ予防につながった事例もあると聞いています。

    学校教育の中で、体操や歯磨き指導等、予防を習慣化させるための取り組みを行っていくことが、健康を保持、増進する上で必要であり、生きる力を育むことにもつながると考えますが、見解をお聞きします。

  • 学校園におきましては、小学校の体育科や中学校の保健体育科において体を動かす楽しさを味わうとともに、健康の保持、増進や体力向上を目的として体つくり運動を実施するほか、子どもたちが健やかに成長できるよう、それぞれの学校ごとに体力づくりのための日常的な取り組みを行っているところでございます。

    また、小学校におきましては、歯の健康管理など、口腔環境を整えるため、年1回、歯科衛生士によるブラッシング指導を行っております。

    引き続き、このような取り組みを通しまして、健康の保持、増進を図ってまいります。
    若田 透教育委員会事務局学校教育部長

  • 歯磨きについては、方法を教える年1回の取り組みだけでなく、予防を習慣化させるための日常的な取り組みを要望いたします。保育園や幼稚園では日常的にやっているところもあると聞いていますので、この、歯を守るということは、歯だけに、削ることのないようお願いいたします。

    また、学校において、日常的に予防策を習慣化する、児童、生徒に対する取り組みだけでなく、土曜授業やオープンスクールなど、保護者も参加するときに体操や歯磨き指導などを組み込むことで、家庭においての予防医療にもつながり、保護者への働きかけとして有効と考えます。

    では、学校での取り組みがより効果を発揮するためには、学校教育だけでなく、学校教育と地域保健が協力していくことが大切だと考えますが、お考えをお伺いいたします。

  • 本市では、第2次枚方市健康増進計画におきまして、ライフステージごとの取り組みを定めておりまして、それに基づき、学校教育と地域保健の連携、協力をより一層進めてまいります。
    人見泰生健康部長
  • 繰り返しになりますが、子どもの健康とは、医療費助成によって守られるのではなく、予防によって維持されるべきです。今回、健康部と教育委員会にまたがって質問をいたしましたが、しっかりと連携していただきまして、子どもから、また家族にも波及させ、健康医療都市として、全世代的に皆が元気に暮らせるような取り組みを推進していただきたいと要望しておきます。