職員の不祥事について

平成24年第4回定例会(第4日) 開催日:2012.12.18

  • 最後に、職員の不祥事について、お尋ねします。

    議員の皆様におかれましても、非常に大きな問題、課題としてとらえておられることと存じますが、本市職員が関与した不祥事は、後を絶たない状況が続いています。特に本年度に入ってから、既に数回、総務部から懲戒処分を行った旨の通知文をいただいておりますが、本当に理解しがたい状況だと思っています。

    そのようなことから、今回、本市における過去の事例について資料をいただくとともに、ヒアリングをさせていただきました。私としては、やはり、本市職員には本来持ち合わせるべき公務員としての自覚に乏しい部分があるのではないか、あるいは、多くの職員には不祥事を起こしてもそう簡単に免職されないという潜在意識があるのではないかといったことが、不祥事を相次いで起こしている要因ではないのかと感じているところです。

    そこで、まず、地方公務員とは、社会的にどのような立場であり、どのような服務に関するルールがあるのか、改めてお聞きするとともに、不祥事というものをどのように定義付けられているのか、お尋ねします。

  • 職員の不祥事に関しまして、お答えいたします。

    地方公務員の立場、服務のルールといたしましては、まず、憲法第15条第2項におきまして「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」と規定され、地方公務員法第30条におきまして「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」と規定されております。

    このほか、服務に関しましては、法令及び職務上の命令に従う義務、信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務、政治的行為の制限、営利企業等の従事制限などが設けられており、これらに違反する行為や刑法等の法令違反を不祥事と位置付け、懲戒処分の対象としております。
    長沢秀光総務部長

  • 最後に、職員の不祥事について、2回目の質問をいたします。

    先ほどの総務部長の御答弁のように、公務員たるものは、特定の一部の者の利益のために奉仕するのではなく、国民・市民全体の利益、公共の利益のために職務を行うべきものであります。しかし、私としては、これらの規定は、公務員として当然に順守すべき事項を掲げているだけであって、何ら大きなハードルがあるといったものではないと考えています。

    また、本市においては、服務規律を確保する目的から、6月と12月の年2回、本年に限っては不祥事が相次いでいることから、10月にも同等の趣旨の市長通達を行い、綱紀粛正のための注意喚起を促しておられますが、本当に意味あるものになっているとは余り考えられません。
     市は、このような通達などによって職員に対して注意喚起を行い、抑止力にしているということですが、年中行事のように、もはや職員にとって慣れっこになっていないでしょうか。私としては、効果が余りないように感じます。職員の間では、不祥事があっても仕方がない、あってもやむを得ないといった風潮になっていないでしょうか。

    そこで、この市長通達に関してですが、直近の12月初めに出されたものについて、その内容はどのようなものであったのか、お伺いいたします。

  • 本年12月3日付で全職員に対して通達した内容でございますが、服務規律を厳正に確保する観点から、市職員が順守すべき事項として、コンプライアンスの徹底、飲酒運転等の信用失墜行為の禁止並びに政治的行為の制限などについて、注意喚起を行ったところでございます。

    今回は、特に、12月16日に衆議院議員総選挙が予定されていたことから、総務大臣名による、衆議院議員総選挙における地方公務員の服務規律の確保に関する通知文もあわせて送付し、改めて、選挙における地方公務員の政治的行為の制限並びに政治的中立の立場を保持すべきであることの周知徹底を図ったところでございます。
    長沢秀光総務部長

  • ただいまの御答弁の中で、公務員の政治的行為の制限について触れられていましたが、2日前に衆議院議員総選挙が行われたこともありますので、次に、そのことに少し焦点を絞って質問をしたいと思います。

    選挙等における地方公務員の服務規律については、行政における中立的立場を保持する観点から、地方公務員法においては政治的行為が制限されているとともに、公職選挙法においては選挙運動等に罰則規定を設けて厳しく禁止されているとのことです。

    公務員として法令を順守することは当然のことですが、本市において不祥事が後を絶たないのは、法令に規定されている内容が理解、把握できていないという認識の甘さによるものではないかと考えます。

    そこで、総選挙は既に終わっておりますので、確認の意味でお聞きします。

    本市職員の行為がこれらの法の規定に抵触するようなことは一切なかったとは思いますが、具体的にどのような行為が制限、禁止されており、どのような選挙運動に対して罰則規定が設けられているのか、お尋ねします。

    また、これとあわせて、念のためにお尋ねしますが、地方公務員が加入する職員団体において、組織としての活動だからという理由で、職員の政治活動は容認されるものではないと私は認識していますが、これに間違いはないでしょうか。

  • 一般職の地方公務員は、地方公務員法第36条により、行政の公正な運営の確保と公務員の政治的中立性を保障する必要性から、政党その他の政治的団体の結成に関与すること、役員になること、団体の構成員となるように、もしくはならないように勧誘運動することが禁止されております。また、特定の政党その他の政治的団体等の支持、反対、あるいは公の選挙または投票における特定人の支持、反対を目的に、職員本人が勤務する自治体の区域内において、投票勧誘行為、署名運動、寄附金募集等を行ってはならないとされております。

    公職選挙法第136条の2第1項の規定では、その地位、すなわち公務員としての役職等を利用して選挙運動をすることはできないとされております。また、その地位を利用して、候補者の推薦、投票の勧誘、演説会の開催等の選挙運動の企画に関与することなどは、禁止行為とみなされることになり、違反した場合には、2年以下の禁錮または30万円以下の罰金と規定されております。

    これらの規定は、公務員という身分を対象としているものであって、職員団体としての活動であったとしても、認められるものではございません。
    長沢秀光総務部長

  • 詳しく説明いただきましたが、ただいまの御答弁の内容がどこまで浸透しているのでしょうか。それを踏まえて、さらにお聞きいたします。

    繰り返しになりますが、不祥事の抑止、防止の観点において、市長通達を行っているだけで効果があるとは余り考えられません。具体的な抑止の方法、法令そのものの理解度を高める取り組みが必要ではないかと考えます。通達という手段以外に既に取り組んでいること、あるいは、新たな取り組みを考えておられていて当然のことと思いますが、それはどのようなものか、お尋ねいたします。

  • 各職場におきまして、接遇・人権・メンタルヘルス研修に加えまして、公務員倫理に関する研修の実施を必須として位置付けるとともに、職場外研修の一つとして課長以上の職員を対象にコンプライアンス研修を実施するなど、職員の意識向上を図っているところでございます。

    今後は、こうした取り組みに加えまして、策定を予定しております人材育成基本方針において、目指すべき職員像として「コンプライアンスを実践する職員」と掲げておりますので、非違行為や不祥事を繰り返すことのないよう、改めて、研修などを通じまして、職員一人一人の公務員倫理やコンプライアンスの徹底を図ってまいりたいと考えております。
    長沢秀光総務部長

  • ただいまの御答弁によりますと、取り組みは継続的に行っているものの、現時点では、なかなか全職員に理解されるまでには至っていないということだと思います。徹底を図っていただきたいと思います。

    次に、不祥事の原因にも触れておきますが、昨日の一般質問において、同じ会派の木村議員から、めり張りのある給与制度の構築という観点で、評価制度について質問させていただいたわけですけれども、評価結果の分布割合について、総務部長より、下位評価であるB評価が非常に少なかったとの御答弁があったかと思います。

    ということは、職員の皆さんは優秀な方ばかりということになると思うのですが、それなのに、このような不祥事が後を絶たない。一体、それは個人の問題なのか、組織の問題なのか、一般論では、本当のところはわからないということなんでしょうか。

    また、今年度に入って不祥事が続出していることに対して、総務部長はどのように感じ、そして、どのようにとらえておられるでしょうか。お尋ねします。

  • 不祥事につきましては、個々それぞれの事由が異なるものでありますことから、一概に、個人の問題や組織の問題として切り分けることは困難と考えております。

    ただ、不祥事が続いていること自体につきましては、非常に残念なことであり、非違行為や不祥事が今後繰り返されることのないよう、また、市民の信頼を得られるよう、職場全体の問題としてとらえることで、職員の意識改革に全力で取り組んでいかなければならないと考えております。
    長沢秀光総務部長

  • 職場全体の問題としてとらえることで、職員の意識改革に全力で取り組んでいくということであれば、こうした不祥事に関することも、総合評価制度等の人事評価制度とも連携し、目標の一つとして組織全体で取り組んでいくことも必要だと思います。今後は、そういった制度の構築も検討いただきますよう要望いたします。

    最後に、市長にお尋ねします。

    職員の不祥事に関しては、今、最高責任者である市長の姿勢が問われていると考えます。不祥事の根絶に向けて、市長として何をどのように発信していくお考えか、お尋ねします。

  • 職員の不祥事の根絶に向けましては、私自身が、市の幹部はもちろんのこと、全職員に対しさまざまな機会をとらえてメッセージを発信することにより、すべての職員が常に緊張感を持って職務に従事するよう奮起を促し、また、公務の内外を問わず、自己の行動、言動を律するよう徹底を図ることにより、常に市民から信頼される市政を確立していく考えでございます。
    竹内 脩市長
  • メッセージを発信し、奮起を促し、公務の内外を問わず、自己の行動、言動を律するよう徹底を図っていくということで、全体として意識改革に取り組んでいくことであれば、職員の意識においては評価も大きな要素を占めると思いますので、ぜひ人事評価制度を含め、取り組みをされますよう要望いたします。