国民健康保険と市民の健康増進について

平成23年第4回定例会(第2日) 開催日:2011.12.14

  • 次に、国民健康保険と市民の健康増進について。

    国民健康保険について、お聞きします。
    ここ数年の収支の推移について、お聞かせください。

  • 国民健康保険と市民の健康増進について、お答えいたします。

    国保の収支状況は、平成20年度の後期高齢者医療制度の創設を機に、歳入歳出の構成が激変いたしまして、平成20年度では12億6,000万円、平成22年度では14億2,000万円の赤字となっております。

    これを歳入で見ますと、平成20年度後半からのリーマンショックの影響等により、保険料収入が平成20年度と平成22年度では2億8,000万円の減額となっている一方、歳出では、加入者の高齢化や医療の高度化などにより、保険給付費が平成20年度と平成22年度を比較しますと23億8,000万円の増額となっております。

    国民健康保険の加入者は60歳以上が約半数を占めており、今後も高齢者の比率が高まりますことから、医療費は引き続き上昇するものと予測せざるを得ない状況でございます。
    人見泰生健康部長

  • 国民健康保険と市民の健康増進について、2度目の質問を行います。

    医療費は増加の一途をたどっているということですが、現在の国民健康保険における主な疾病の内訳と、これらに係る1人当たりの医療費について、お聞かせください。

  • 本市の国民健康保険で実施しております5月診療分のレセプトをもとにした医療費分析の結果によりますと、主な疾病の内訳は、診療点数の割合が高い順から申しますと、虚血性心疾患や脳梗塞といった循環器系疾患が19.86%、新生物、いわゆるがんが14.94%、糖尿病などの代謝疾患が8.59%となっておりまして、この上位3分類で全体の約43%を占めております。

    1カ月当たりの医療費総額は、循環器系疾患のうち、脳血管疾患は約8万8,000円、心疾患は約5万6,000円となっており、悪性新生物のうち、胃がんは約8万円、気管支や肺がんなどは17万2,000円、代謝疾患のうち、糖尿病で人工透析を行っている場合は約44万円となっております。
    人見泰生健康部長

  • 1カ月だけの医療費でもこれだけ高額な医療費がかかっているということです。こういった病気になるということは、個人の負担や保険財政への影響はもとより、治療により生活が制限されるという点でも、非常に深刻な問題だと思います。一方で、こういった病気は、個々人の日々の習慣で予防でき、また早期発見により症状も抑えられます。

    国民健康保険と一般施策における健康増進の取り組みについて、お聞きします。さらに、今後の取り組み方針について、お聞かせください。

  • 国民健康保険の取り組みといたしましては、生活習慣病の予防として、平成20年度に保険者に義務付けられました特定健康診査、特定保健指導を中心に実施をしております。特定健康診査は、40歳から74歳までの被保険者を対象に、内臓脂肪症候群、いわゆるメタボリックシンドロームに着目した健診でございまして、健診結果に基づき、生活改善の必要性が高い人に対して個別に保健指導を行っているものです。

    また、一般施策における取り組みといたしましては、枚方市食育推進計画やひらかたみんなで元気計画を策定いたしまして、各種健診や保健事業を実施するとともに、食育についてもネットワークを構築し、乳幼児期から高齢期に至る生涯を通じた健康増進に努めているところでございます。

    今後も、国民健康保険の特定健康診査と保健センターで実施しております各種がん検診との同時受診を勧めるなど、市全体の取り組みとして相互に連携しながら、健康増進施策の充実を図ってまいります。
    人見泰生健康部長

  • 本市の国民健康保険加入率は全体で30%弱であり、全市民が加入するものではありませんが、今は会社員の方であっても退職された後は国民健康保険に加入されること、また、市国民健康保険は加入者の保険料だけでなく一般会計から繰り入れも行っていることから、国民健康保険の財政健全化は、全市民的な問題であると考えます。

    日ごろ病院を利用されることが比較的少ないとされる勤労層や若年層に対しての意識付けを図るために、そういった方々の利用する駅や施設での啓発活動を中心に、健康を維持する文化、健康を目指す文化づくりを行っていただくことを強く要望しておきます。

    本件につきましても、今後も機会あるごとに、視点を変えながら確認をしていきたいと思っております。
    これで質問を終わらせていただきます。