枚方市の財政状況について

平成23年第2回定例会(第3日) 開催日:2011.06.24

  • 枚方市の財政状況についてです。市債に着目して質問をさせていただきます。
    まず最初に、現状把握をさせていただきたいと思います。平成21年度の普通会計決算におきまして、市債残高がどれぐらいあるのか、お伺いいたします。

    また、近年、地方交付税の補填措置として臨時的に認められております臨時財政対策債が増加傾向にあると聞いております。臨時財政対策債についても残高をお願いいたします。

    また、今後、市債残高はどのように推移する見込みなのか、あわせてお伺いいたします。

  • 3.財政の運営について、お答えいたします。
    市債に関してでございますが、平成21年度普通会計決算における市債の残高は990億円で、そのうち臨時財政対策債の残高は296億円となっております。

    また、今後の市債残高の見込みにつきましては、本年2月に作成しました長期財政の見通しでは、今後、建設事業に係る市債残高は減少傾向にあるものの、総合文化施設の市債を見込んでいることや、臨時財政対策債の発行につきましてはやむを得ないものとして一定の発行額を見込んでいることから、平成31年度までの期間を通じまして、おおむね1,000億円前後で推移するものとなっております。
    高井法子企画財政部長

  • 続きまして、財政の運営について、2回目の質問をさせていただきます。

    市債残高につきましては、臨時財政対策債の増加に伴い、今後1,000億円前後で推移する見込みとのことで、市債残高が減っていく傾向ではないということです。しかも、臨時財政対策債は、何らかの資産を形成するというような市債ではございません。果たして、それで今後も安定した財政運営を行っていけるのでしょうか。

    ここ数年の経済情勢を見てみますと、非常に厳しい状況です。今後も厳しい状況が続くと予想されます。3月には東日本大震災がございました。今までにない、想定を超える事象が起こっております。今後、こうしたことも本市で起きない保証はありません。

    私は、そうした不測の事態が起こった際にも対応できるような、柔軟な財政構造を目指す必要があると考えております。そのためには、建設に係る市債であっても、また臨時財政対策債であっても、可能な限り市債は抑制すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

  • 市債につきましては、ある年度の過度な財政負担を軽減し、計画的に財政運営を行うための機能がございます。

    学校や道路の建設など、単年度で多額の経費が必要になるような事業を行う際、市債の借り入れを行わずに税負担によりますと、例えば、各種予防接種や健診事業、また公共施設全般にわたる維持管理など、市民に対する安定した継続的なサービスの提供という自治体本来の業務に支障を来すことにもなりかねません。

    また、市債の返済を長期にわたって行うことで、現在の納税者と将来その施設を利用するであろう納税者との税負担の公平性を図る機能もございます。

    一方、臨時財政対策債につきましては、どの地域でも一定の行政サービスが提供できるよう国から交付される地方交付税、この代替措置として臨時的に行われているものでございます。本来、これは交付税で措置されるべきものですが、その一部を市の意思にかかわらず国から割り当てられるもので、全国の交付団体におきまして同様の措置を受けているという状況でございます。

    したがって、この財源を確保しなければ、例えば、子育て支援や教育、市民の健康づくり、障害者施策や安全、安心の分野など、施策全般にわたる一般的な行政サービスの提供に必要な一般財源において、多大な影響が出ると考えております。

    このため、現在の地方財政制度の中では、市債の活用は、是非はともかくとしましても、一定必要なものと考えております。
    高井法子企画財政部長

  • 世代間の税負担の公平性のためには市債が必要で、また、臨時財政対策債は地方財政制度上認められた市債だから必要ですとのことですが、仮に新しく何かを建設すれば、いずれ老朽化が進み、維持補修費が必要となります。その際には、その時点での納税者がその経費を負担することとなります。また、今後、少子・高齢化の進展や人口の減少などにより、市税収入はますます減っていくのではないでしょうか。

    臨時財政対策債についても、発行額が今後増加していけば、利息はかさむばかりです。臨時財政対策債の元金や利子については、交付税に算入されると聞いておりますが、今の国の状況を見てみますと、これからも必ず措置されるという保証はありません。このような状況の中で市債を発行することは、将来負担がますます増加することにつながると思います。

    私は、行財政改革を実施して、それによって生み出された財源を何か新規事業に活用していくことはもちろん必要だと思いますが、将来を見据えますと、その財源を活用して発行する市債を減らし、市債残高を抑制していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

  • 御指摘のとおり、市債の過度な発行につきましては、当然のことながら、将来の公債費の増大につながり、財政の硬直化を招くことになります。このため、本市では、市債の発行に当たりましては将来負担も見通した計画的な発行が必要ということで、長期財政の見通しにおきましても投資的事業については毎年50億円を基本とするなど、これまでから慎重な対応を行ってきております。

    また、臨時財政対策債に係る公債費につきましては地方交付税に算入されることになっておりますが、そもそも基礎的な行政サービスを提供していく費用につきましては本来地方交付税で措置されるべきであることから、国に対して強く要望しているところでございます。
    高井法子企画財政部長

  • 国に対して強く要望していくことも大事と考えますが、政府がいつまでも自治体の面倒を見てくれる保証はありません。可能な限り自分たちのまちは自分たちの財源でやっていく、そんな財政運営ができるような体制を整えていただくよう要望いたしまして、私、岩本優祐の質問とさせていただきます。